NECは2016年9月5日、三井住友銀行の勘定系システムにおいて、東日本と西日本の両センター間での相互バックアップ環境を構築したと発表した。2016年6月から稼働している。西日本と東日本でそれぞれ本番系システムが稼働し、片方のシステムに障害が発生した際には、もう片方に用意してあるバックアップ系システムに切り替える()。NECによれば、「大手銀行の勘定系システムにおける遠隔地間での相互バックアップ環境の構築は国内初の事例」としている。

図●三井住友銀行の勘定系システムにおける東西相互バックアップの概要
(出所:NEC)
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 三井住友銀行は従来、東日本センターに設置したシステムを本番用、西日本センターに設置したシステムをバックアップ用として使い分けてきた。全国の全店舗が、東日本センターにある単一の本番系システムにアクセスしていた。今回、この方式を改め、両センターのシステムをともに本番用とし、店舗単位で両センターのシステムを分散して利用するようにした。

 二つの本番系システムを運用するに当たって、いくつかの新技術を開発した。まず、二つの本番系システム間でイベント情報を連携させる「センター間イベント連携機能」を新規に開発した。これにより、東日本センターのシステムを介しても、西日本センターのシステムを介しても、全国どこからでも利用店舗の口座にアクセスできるようになった。

 両センターが相互にシステムをバックアップする環境も構築した。NEC製メインフレーム「ACOSシリーズ」専用のオールフラッシュストレージ「iStorage A5000」のミラーリング技術を利用して、東西で約500キロメートル離れたセンター間で業務データを相互にバックアップする。

 バックアップ系への切り替え時間を短縮するために、ACOSシリーズ用のミドルウエア「DIOSA」を強化し、更新電文をインメモリーで高速に処理する機能を新たに開発した。ストレージのミラーリング技術と組み合わせることによって、RPO(目標復旧時点)とRTO(目標復旧時間)を短縮したとしている。さらに、「ファイルマネジメントシステム機能」を強化することによって、バックアック系に処理が切り替わった後でもバッチ処理を継続できるようにした。