写真●JASRAC 会長のいではく氏(左)と理事長の浅石道夫氏
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 日本音楽著作権協会(JASRAC)は2016年7月13日、新役員就任に伴う記者会見を開催した。会見では会長のいではく氏や理事長の浅石道夫氏が今後の抱負を述べたほか、報道陣と質疑応答を行った(写真)。

 質疑応答では本誌からの質問を受けて、在京民放キー局5社が共同で運営する広告付きテレビ番組の無料配信を行う見逃し配信サイトである「TVer」など放送事業者が運営する動画配信サイトで使われる楽曲の使用料について、JASRACの考え方を述べた。常務理事の大橋健三氏が回答した。

 「放送事業者が行っている動画配信サービスに関する楽曲利用の対価などについては現在協議中」「TVerは広告収入モデルだが、現在は事業が確固としたものになっておらず、権利者に対価を支払うという状態になっていないので、すぐにこれだけ払ってほしい、というつもりはない。放送事業者には大きな事業にしてほしい」(大橋氏)とした。そのうえで「放送での楽曲利用とインタラクティブ配信での楽曲利用は別のもの」「放送事業者の動画配信事業の規模が大きくなった段階で、JASRACとしては相応の対価を徴収したい」という考えを示した。

 「Netflix」や「Hulu」といった定額制動画配信サービスでの楽曲利用に伴う使用料については、「現在の使用料が当該サービスの事業規模に比べて適正な対価となっているかという点について、協議が必要と思っている」とした。「現在は権利者側にとって不本意な水準で運用されていると認識している。まだ入り口の段階だが、利用者や利用者団体と実態に基づいた使用料規程の在り方についての協議を進めているという状況」と現状を報告した。

 理事長の浅石氏は、いわゆる権利者不明作品問題を利用できる体制を構築するうえで通信業界や放送業界に期待することはあるか、という質問を受けて、「音楽分野の権利者団体3者で集中管理の窓口を作りましょうという構想を提案している。この構想を広げるということが考えられる」とした。