オリックス、オリックス銀行、静岡銀行、NTTデータ、NTTドコモ・ベンチャーズの5社は2016年7月12日、商品の輸出入に伴い発行される信用状(Letter of Credit:L/C)の取引にブロックチェーン技術を適用したシステムを試作し、事務手続きの短縮化につながることを確認したと発表した。

 5社は2016年2月22日からブロックチェーンを使った金融サービスの共同研究を開始した。ブロックチェーンが有効な業務として貿易金融に着目し、NTTデータがイーサリアム(Ethereum)をベースにシステムを試作、他の企業が業務への適用可能性を検証した。同年6月30日までに検証を完了させた。

 信用状とは、貿易決済を円滑に進めるため、銀行が輸入業者の依頼で発行する支払い確約書のこと。貿易取引では、商品の引き渡しと代金の決済にタイムラグが発生する。輸出業者は、銀行から信用状を受け取ることで、決済前に輸入業者が倒産するなどして代金を回収できなくなるリスクを回避できる。

 信用状は郵送や電子メールなどでやりとりされるが、輸入業者、輸出業者、輸入国の銀行、輸出国の銀行などの複数の企業が関わることから、信用状の送付や修正などの事務手続きに数日かかることがあった。

従来の信用状取引の流れ
(出所:NTTデータ)
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 今回試作したシステムは、「共通台帳を分散管理する」というブロックチェーンの機能を使うことで、輸出入業者や銀行の間で信用状の内容を共有するもの。これにより、信用状の送付や修正に関わる手続きを迅速化できること、必要な耐障害性や高可用性を実現できることを確認できたという。

ブロックチェーンを使った信用状取引の流れ
(出所:NTTデータ)
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 5社によれば、今回検証した信用状に加え、インボイス(商用送り状)、船荷証券、保険証券といった船積書類をブロックチェーン上で共有することで、貿易金融の業務全般を効率化できる可能性があるという。