写真●日立製作所 執行役専務CFO(最高財務責任者)の西山光秋氏
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 日立製作所は2016年5月13日、2016年3月期の連結決算を発表した。売上高は2015年3月期比3%増の10兆343億円、営業利益は同64億円減の6348億円で増収減益となった。鉄道や電力などの社会インフラ事業や、システムソリューション事業がけん引した。2016年3月期を最終年度とする中期経営計画で目標としていた売上高10兆円を達成した。一方、中国景気の減速が減益要因として響いた。

 会見に臨んだ日立製作所 執行役専務CFO(最高財務責任者)の西山光秋氏は「金融や公共分野を中心にシステムソリューション事業が好調だ」と話した(写真)。同氏によれば、国内のIT投資の動向は今後、マイナンバー制度関連が縮小するものの、FinTechやセキュリティ関連の需要が増える。「2017年3月期もIT投資は引き続き堅調に推移する」と見通しを示した。

 「情報・通信システム」部門を見ると、売上高は2015年3月期比4%増の2兆1093億円、営業利益は同61億円増の1413億円で増収増益となった。西山氏は「営業利益率は6%を超え、過去最高水準だ」と振り返った。ネットワーク機器やストレージ、サーバーなどの需要減が響いたものの、国内のシステムソリューション事業などが伸長して補った。

 同社は2017年3月期中に、新たに800億円を「事業構造改革関連費用」として投じることを明らかにした。このうち約5割を「情報・通信システム」部門の再編などに充てる。ネットワーク機器やストレージ、サーバーなどのハードウエア開発事業が主な対象だ。

 構造改革の一環として、日立グループ外に約3000人を転籍させることも明らかにした。「800億円のうち、約300億円が人的対策費用となる見通しだ」(西山氏)。

 2017年3月期の連結業績予想は、売上高は2016年3月期比10%減の9兆円、営業利益は同948億円減の5400億円とした。売上高10兆円から1兆343億円の減収となる。中国景気の減速や、日立物流や日立キャピタルなどのグループ会社再編の影響が大きいとする。西山氏は「売上高10兆円からひとまず縮小するが、まずは売上高より収益性を改善したい」と話した。