「沖電気工業の抱えている最大の課題は、成長事業の種をまいてこなかったこと。トップラインを上げるため、次なる成長戦略に取りかかりたい」。

 沖電気工業(OKI)は2016年2月24日、取締役常務執行役員の鎌上信也氏が4月1日付で代表取締役社長執行役員に昇格する人事を発表した。代表取締役社長執行役員の川崎秀一氏は代表権のある会長となる(写真)。冒頭の発言は、24日に開いた記者会見で鎌上氏が話したもの。

写真●4月1日付で新社長に就任する鎌上信也氏(右)と、川崎秀一 社長
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 同氏は、ATMなどのシステム機器事業の出身で、技術開発やマーケティング、経営企画などに携わってきた。ATM事業の海外展開や、コンビニエンスストア向けのATM事業など、新規事業を率先して開拓してきた人物だ。「企業が成長するためには、常に新規事業の種をまいていくことが必要だ。これがなければ衰退してしまう」(鎌上氏)と危機感を見せつつ、意気込んだ。

 川崎氏は「技術がビジネスを大きく変えている激変の時代に、技術者出身の鎌上氏は最適の人物」と社長人事について話した。同時に「時代の変化スピードに対応するには、経営に若い力が必要」(川崎氏)と続ける。鎌上氏は1959年生まれの57歳で、川崎氏は1947年生まれの69歳。経営トップは12歳若返ることになる。

 川崎氏が社長に就任したのは2009年6月のこと。2度の中期経営計画策定に携わり、構造改革を進めてきた。「7年の任期期間に点数をつけると80点。社長就任時は業績や株価など、経営環境は非常に厳しかった。これを再建し、黒字体質に転換できた」と振り返る。一方で、「次なる成長の種をまくことについては不十分だった」と打ち明けた。

 2016年度を最終年度とする中期経営計画のうち、1年を残して経営のバトンを引き継ぐ。「鎌上氏には早い時期から、17年度からの中期経営計画の策定に着手してほしい」と狙いを語る。鎌上氏は会見では具体的な成長戦略などは明かさなかったが「社会インフラに関する技術力やノウハウを強みに、新規顧客の開拓を急ぎたい」と話した。