写真●みずほフィナンシャルグループの阿部展久インキュベーションPT長(右)とマネーツリーのポール・チャップマン代表取締役
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 みずほ銀行はマネーツリーが提供するPFM(個人財務管理)基盤「MT LINK」を採用し、2016年4月上旬にもスマートフォン向けの「みずほダイレクトアプリ」に新機能を追加する。2016年2月22日に両社が記者会見を開き、発表した(写真)。国内でも金融機関とFinTechスタートアップ企業との協業が広がりつつあるが、両者がシステム連携するケースは珍しいという。

 みずほ銀は4月、「みずほダイレクトアプリ」の新機能として「一生通帳 by Moneytree」をリリースする。同機能登録以降の入出金明細を期間無制限で閲覧できるサービスだ。今までも入出金明細情報をダウンロードできたが、期間に制限があった。みずほ銀行に開設した複数口座の合算残高の表示も可能にする。

 「日本では預貯金率が高い。貯金の見える化は、顧客サービスを向上させるうえでの第1歩だ」と、みずほフィナンシャルグループの阿部展久インキュベーションPT長は説明する。まずは入出金状況を把握しやすくする。将来的には貯蓄や運用アドバイスなどのサービスを合わせて提供し、金融商品の購入などにもつなげていきたいとみられる。

 マネーツリーの「MT LINK」は、銀行口座やクレジットカード、ポイントカードの取引情報を集約、一元管理を可能にするデータアグリゲーション機能や支出項目の振り分けなどを自動実行するための機械学習機能を備えるプラットフォームだ。みずほ銀は今回、「MT LINK」のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を活用し、「一生通帳 by Moneytree」を開発した。

 技術的には「MT LINK」が連携可能な2400社以上のWebサービスの情報を集約できるが、4月のリリース時点で閲覧できる入出金明細はみずほ銀の口座に限る。「今後、他の金融機関などの入出金情報なども閲覧できるようにすることも重要だ」(阿部PT長)。まずはグループ会社の口座情報の閲覧などに対応させる。利用者のニーズを見極めながら、ゆくゆくは他行の情報も含めた一元管理を実現させたい方針だ。

 「みずほダイレクトアプリ」は、みずほ銀のインターネットバンキングサービス「みずほダイレクト」のスマホアプリで、利用者数は数十万だという。みずほダイレクトの契約数はおよそ1000万に上り、今のところブラウザ経由での利用が大半を占めるもようだ。

 マネーツリーは2015年に「MT LINK」の外部提供を始め、まずは弥生やTKCといった会計ソフトベンダーと連携、同年10月には日本IBMと接続している。みずほ銀との今回の取り組みを弾みにして、さらに連携先を広げていきたい考えだ。同社のポール・チャップマン代表取締役は、「FinTechサービスを実現するための“OS”のような存在にしていきたい」と語った。