さくらインターネットとテックビューロは、ブロックチェーン実験環境の無償提供を2016年1月から始める。金融機関やIT技術者向けに、2015年12月16日から申し込みを受け付ける。

写真●さくらインターネット フェローの小笠原治氏(右)と、テックビューロ Chief Blockchain Officerの武宮誠氏(左)
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 暗号通貨やポイントサービス、電子決済、IoT(インターネット・オブ・シングス)のデータベース基盤など、ブロックチェーンを活用した情報システムの実証実験に使える。同サービスのさくらインターネット側の責任者で、ハードウエアスタートアップ向け開発支援施設「DMM.make AKIBA」のプロデュースでも知られる小笠原治フェローは「ブロックチェーンは、IoT機器からの大量のデータを安全な形で蓄積するのに適している。私自身もIoTを中心に様々な実験に取り組みたい」と語る(写真)。

 実験環境の名称は「mijinクラウドチェーンβ」。さくらインターネットが提供する月額数万円相当の4台の仮想サーバーに、テックビューロが開発中のブロックチェーンソフト「mijin」を組み込む。利用者は、いずれかのサーバーにインターネット経由でアクセスし、Web APIを通じてブロックチェーンを利用できる。処理可能なトランザクション(取引)件数は1日当たり200万件、1秒当たり25件ほどとなる。

 さくらインターネットが提供する仮想サーバーは、石狩リージョン2台、東京リージョン2台。異なるリージョンにまたがってノードを配置することで、遠隔地にある一方のノードがダウンした場合の挙動などをテストできる。

 提供期間は2016年6月末までの半年間で、サポートは専用のユーザーフォーラムで対応する。申し込み多数の場合は締め切りまたは抽選となる。

 これとは別に有償サービスも提供。こちらは77万円(税別)で半年間利用できる。高スペックの仮想サーバーを使うことで、無償版の4倍となる1日当たり800万件のトランザクションを処理する。テックビューロが2016年夏までに本番サービスを提供した後は、さらに1年間無償で利用できる。

 mijinは、ブロックチェーンのオープンソースプロジェクト「NEM(New Economy Movement)」の主要開発者である武宮誠氏などがテックビューロに参加して開発したJavaベースのソフトウエア。NEMとは異なりプライベートブロックチェーン(閉域網のノードで構成するブロックチェーン)の用途に特化しており、ビットコインのような採掘(マイニング)による計算資源の消費が不要となる。NEMと同様のWeb APIを採用し、外部からデータを読み書きできる。