写真1●コンカーの三村真宗代表取締役社長(右から2人目)、米コンカーテクノロジーズのサンジェイ・アルメイダ上級副社長(同3人目)。日本CFO協会 専務理事 事務局長の谷口宏氏(左)、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の高橋通彦理事長(右)も登壇した
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写真2●規制緩和の推移
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写真3●コンカーのスマートフォンアプリによる経費精算のイメージ
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写真4●規制緩和に対応する新機能
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 クラウド型経費管理サービスを手掛けるコンカーは2015年6月19日、領収書の電子化に関する規制緩和の現状と同社の製品戦略に関する説明会を開催した。同社は、スマートフォンなどで撮影した画像での領収書保存を認めるよう省庁や関連団体に積極的に働きかけを行っており、2016年度には規制緩和が行われる可能性が高いと見る(写真1)。規制緩和を見据えて、新機能の開発も進めているという。

 企業などの法人には領収書の保管義務があり、基本的には原本を7年間保存しなければならない。電子保存も一部認められているが、対象となるのが3万円未満の領収書のみであること、国の認定を受けた事業者の電子署名付与が求められることなど条件が厳しい。このため、「適用している企業はごくわずか」(コンカー 三村真宗代表取締役社長)にとどまる。

 2015年度の税制改正によって、2015年10月からは条件が一部緩和される(写真2)。金額の制限が撤廃されるほか、実施者を特定できるID/パスワードがあれば電子署名も不要になる。ただし領収書の読み取りには従来通り原稿台付きのスキャナーを用いる必要があるため、電子化する際はオフィスまで領収書を持ち帰らなければならない。

 読み取り機器としてスマートフォンなどを加えるべく、同社は日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)や新経済連盟などと協力しながら、財務省や国税庁、自民党などに働きかけを行っている。三村氏によれば、多くは前向きの意向を示しているという。

 スマートフォンでの撮影が認められれば、営業担当者が出先で領収書を撮影し、その場で原本を廃棄するといったことができる(写真3)。領収書の保管やのり付けといった従業員の手間を軽減できるほか、企業にとっては紙の領収書の管理/保管コストの削減も期待できる。例えばコンカーのサービスを利用する野村ホールディングスでは、領収書の年間当たりの総量が段ボール箱で数百を超え、それらの輸送/保管には億単位の負担が発生している。日本経済団体連合会の試算によれば、国内企業の税務書類保管コストは年間で約3000億円に上るという。

 コンカーでは、「規制緩和に対応すべく製品開発を進める」(米コンカーテクノロジーズ 上級副社長 サンジェイ・アルメイダ氏)。スマートフォンで撮影した画像には、規定の条件を満たすタイムスタンプを付与し、法定期間中保存する(写真4)。タイムスタンプ情報などを基に画像を検索する機能や、経費情報の入力時、OCR(光学文字認識)によって領収書から日時や金額を自動で読み取る機能も盛り込む。これらを、2016年にリリース予定だ。

 なお画像に付与するタイムスタンプは、現状では日本データ通信協会が認定する事業者による発行が必要とされている。これがハードルとなり、「ITベンダーが独自で対応できない可能性がある。この条件を緩和してほしいという働きかけもしている」(三村氏)という。