写真1●デジタルアーツの齋藤亮介エンタープライズ・マーケティング部部長
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 UBICとデジタルアーツは2015年5月12日、従業員からの情報漏洩対策分野で協業すると発表した。人工知能(AI)がメールの文面を分析し、将来内部不正を起こしかねない人を自動的に特定。メールの添付やWebサイトへのアップロードなどを制限するソフトを、9月をめどに共同で提供する。同日に開いた記者発表会でデジタルアーツの齋藤亮介エンタープライズ・マーケティング部部長は「従業員の悪意に対してシステム的な対策を打てる、これまでに類のないサービス」と強調(写真1)。情報漏洩などに悩む企業に今後売り込む。

写真2●UBICの大西謙二クライアントテクノロジー部高度情報解析課課長
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 「全メールの1~2%に将来の内部不正につながりかねない内容が含まれている」(UBICの大西謙二クライアントテクノロジー部高度情報解析課課長、写真2)。ただメールの文面を監査して内部不正の可能性を判断するには膨大な手間がかかり、多くの企業が対策をあきらめているのが実情だという。新ソフトで労力を4000分の1に軽減できるという。

 今回活用するUBICのメール自動監査ソフト「Lit i View EMAIL AUDITOR」が搭載するAIは、メールの文面を自然言語解析して品詞レベルで分析できるのが特徴。「腹が立つ」「いい加減疲れた」といった不平不満や、相手に情報提供を求めるような内容を自動的に抽出し、対象者を特定する(写真3)。

写真3●内部不正につながる可能性のあるメールの例(UBICの資料を引用)
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 両社は導入支援サービスも提供する。企業が内部不正の可能性が高いと思われるメールとそうでないメールをサンプルで提供。これをAIが文面や相関性から分析・学習、独自に重みづけし、各企業に最適な分析環境を整える。調整には2カ月程度かかるという。

 リストアップされた対象者のメールやWebサイトの活用を制限するに当たって活用するのが、デジタルアーツのフィルタリングソフト「m-FILTER」。メールにファイルを添付できなくしたり、上長の承認がないとメールを送信を認めなくしたりできる。オンラインストレージや各種SNSへのデータアップロードを禁止することも可能だ。

 提供価格は個別見積もりで、数百万円からとみられる。デジタルアーツが販売し、3年間で100社の導入を目指す。2000社にのぼるm-FILTERの既存顧客に加え、過去に情報漏洩事件などを起こした企業も「痛みを忘れて再発を繰り返すケースが少なくない」(UBICの大西課長)として需要が大きいとみている。