写真●2月24日に楽天が開催した発表会の様子。このときは新端末の投入や新たな販促策を明らかにした
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 楽天が提供するMVNOサービス「楽天モバイル」が2015年6月にもソニーモバイルコミュニケーションズが提供する「Xperia」ブランドの端末の発売を検討していることが関係者への取材で明らかになった。開始時の端末価格は未定だが、一括購入で4万円台前後になるもようだ。楽天が取り扱うスマートフォン端末では初のフェリカ搭載機種となり、自社が提供する電子マネー「楽天Edy」などの決済サービスとの連携を深める。また楽天は、近日中に楽天グループが手掛ける電子書籍サービス「Kobo」の端末とのセット販売も始める。楽天モバイルは決済サービスや電子書籍サービスなどとの連携を進め、「楽天経済圏」のシナジー効果を早期に出したい考えだ。

 楽天が現在提供している端末は、中国ファーウェイ・テクノロジーズの「Ascend Mate7」(一括払いは4万8888円)、台湾エイスーステック・コンピューター(ASUS)の「ZenFone 5」(一括払いは8GBモデルが2万6400円、32GBモデルが2万9800円)、シャープの「AQUOS SH-M01」(一括払いは5万2800円)。さらに2月24日には、富士通の「ARROWS M01」(一括払いは3万6720円)の取り扱いを発表し、申し込み受付を開始した。Xperiaは楽天が提供するスマートフォンの中ではミドルレンジの価格帯になるもようだ。

 2015年1月27日、産経新聞社が運営する「SankeiBiz」はイオンがソニーモバイルのXperiaを取り扱うと報じた。ソニーモバイル広報は「現時点では、公にできる事実はない」としているが、続く1月30日にはソニーモバイルがソネットと組み、MVNO市場にXperiaシリーズを投入することを自ら発表している(関連記事:XperiaとVAIOがMVNO市場で対決、今後の展開は?)。イオンが今春にXperiaを発売することになれば、楽天は3番目の取り扱い事業者となる。

 また楽天は、月額900円から利用可能なデータ通信専用SIM「楽天モバイル データSIM」を3月16日に発売すると既に発表している。楽天関係者は「データSIMを取り扱うことで、スマホやタブレットなどの2台目需要を狙う」としており、同社が展開している電子書籍サービス「Kobo」で提供する自社端末とのセット販売を検討していることを明らかにした。

 楽天関係者によれば、楽天モバイル事業統括に就任した楽天副社長の平井康文氏は3月13日に楽天子会社のフュージョン・コミュニケーションズの取締役に就任する。平井氏は本誌の取材に対し「(フュージョンが提供する)サービスをモバイルに特化した形でカスタマイズしていけば、もっと利便性を高められる」(平井氏、関連記事:【独占独白】平井副社長、楽天入社とモバイル戦略を語る)と答えており、現在、システム開発を進めているようだ。

 楽天モバイルのスタートは2014年10月。後発ながらもグループの総力を挙げて次々と手を打ちつつある。ほかのMVNO事業者の戦略にも影響を与えそうだ。