写真●第8回マイナンバー分科会
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 IT総合戦略本部のマイナンバー等分科会は2015年2月16日、開会中の通常国会に提出する個人情報保護法と行政手続き番号法(マイナンバー制度)の改正案の概要を公表した。個人情報保護法改正では「個人情報の定義の拡充」や「利用目的の制限の緩和」という文言が消え、マイナンバー制度では預貯金口座への付番や医療分野での利用範囲の拡大などを盛り込む。

 個人情報保護法改正案の概要では、2014年12月のパーソナルデータ検討会で示された骨子案の「個人情報の定義の拡充」が、「個人情報の定義の明確化(身体的特徴や個人に発行される符号などが該当)」となった。

 骨子案にあった「利用目的の制限の緩和」は、「利用目的の変更を可能とする規定の整備」に変更された。企業が個人にオプトアウト(利用停止)の手段を用意すれば一定の条件で目的外利用ができる、とした骨子案の文言は削除された。

 預貯金口座へのマイナンバーの付番については、金融機関の破綻時に預金保険機構などによるペイオフで預貯金を合算する際にマイナンバーを利用可能とする。また、社会保障制度の資力調査や国税・地方税の税務調査で、マイナンバーが付いた預金情報を効率的に利用できるように国民年金法、国税通則法などを改正するとした。

 ただ分科会の事務局は、今回の法改正では「預貯金の差し押さえには使えない」と説明。預金者は銀行などからマイナンバーの告知を求められるものの、「法律上、告知義務は課されない」としている。マイナンバーの付番がない口座の預貯金は対象外となる。

 医療分野での利用範囲の拡充では、健康保険組合による被保険者の特定健康診査情報(特定健診)の管理などで、被保険者の転居や退職による異動時に特定健診の情報を引き継げるようにマイナンバーの利用を可能とする。また地方公共団体の間で、予防接種の履歴についての情報連携を可能とする。

 ただ事務局は、医療機関でマイナンバーは扱わず、行政機関の間で情報連携をする「機関別符号」を利用すると説明した。

 さらに地方公共団体の要望を踏まえて、マイナンバーの利用拡大策を講じる。都道府県の独自条例に基づく高校授業料補助の上乗せ手続きに必要な添付書類を、情報連携によって削減する。加えて、公営住宅だけでなく、自治体と国が家賃補助をする特定優良賃貸住宅の管理事務にも、マイナンバーを利用できるようにするとした。

 このほか分科会では、マイナンバー制度を周知するための広報を拡充するほか、マイナンバーの利用履歴が分かる情報提供等記録開示システムのサービス全体像を今後検討する、という方針が示された。