写真1●「SAP HANA」の新版(SP9)の主要機能。白色のボックスで示されたものがSP9で新たに追加された
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写真2●SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション&イノベーション統括本部の堀田徹哉本部長
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写真3●データベースのマルチテナント機能の概要
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写真4●ダイナミックティアリング機能の概要
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 SAPジャパンは2014年12月2日、インメモリー処理基盤「SAP HANA」の新版(SP9)の提供を開始すると発表した。SP9は、単一のシステムIDで複数のテナントデータベースを稼働させるマルチテナント機能や、利用頻度が低いテーブルをディスクに格納することでメモリー容量による制限をなくす「ダイナミックティアリング」機能に対応したことなどを特徴とする(写真1)。

 「国内における今年度のHANAビジネスの売り上げは、前年度比で180%成長の見通しだ」。同日に開催した記者説明会で、SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション&イノベーション統括本部の堀田徹哉本部長は、国内でHANAビジネスが急激に拡大している状況を紹介した(写真2)。業務アプリケーション群「SAP Business Suite」を採用したユーザーのうち、HANA上で動作させる「SAP Business Suite on HANA」を選ぶユーザーが2014年には71%を占めるようになったという。国内では日本写真印刷やTHKがこの構成のシステムを稼働済みである。

 HANAのSP9が新たに対応したマルチテナント機能は、HANAシステムに複数のアプリケーション環境を構築できるようにしたものだ(写真3)。テナント間でデータやユーザー、ハードウエア資源を強固に分離しながら、単一のシステムとして管理できる利点がある。例えば「SAP Business Warehouse」とBusiness Suiteを単一のHANAシステム上で稼働させたり、開発機、検証機、本番機を混在させたりできる。

 ダイナミックティアリング機能は、頻繁に使うテーブルをメモリーに、利用頻度が低いテーブルをディスクにそれぞれ格納することで、P(ペタ)バイト級のデータサイズに対応できるようにするものだ(写真4)。「マルチテナント機能によって複数のアプリケーションを混在させると合計のデータサイズが大きくなる。メモリー容量の制約をなくすために必要な機能だった」(同社 ソリューション&イノベーション統括本部 リアルタイムプラットフォーム部の大本修嗣部長)。どのテーブルをどちらに格納するかはユーザーが定義する。

 この他SP9では、(1)センサーデータなどの系列データをSQLでのアクセスに適した形式に変換する機能、(2)HANAのユーザー定義関数でMapReduce処理を実行したりHDFSに直接アクセスしたりするHadoop統合機能、(3)入力データに対するクレンジングや変換などの処理を行いながら読み込む機能、(4)データベースに書き込む前の入力データに対する複合イベント処理(CEP)機能、などを追加している。