図●IPA把握しているセクシー動画を使った「セクストーション(性的脅迫)」の流れ
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 情報処理推進機構(IPA)は2014年12月1日、スマートフォンで撮影したプライベートな写真・動画が脅迫のネタとして使われる被害が出ているとして、注意を喚起する文書を出した。

 こうした事案は「セクストーション(sex=性的、extortion=脅迫を組み合わせた造語)」と呼ばれており、海外で問題になっている。IPAにも9月から相談が寄せられるようになり、注意を呼びかけている。

 IPAが把握した事案では、被害者はSNSを通じて知り合った異性から、「ビデオチャットアプリをスマートフォンにインストールして、プライベートな画像を見せ合おう」と呼びかけられた()。このアプリを使って、ビデオチャット中に服を脱ぐなどして「セクシー動画」を撮影してしまった。後日、「あなたの電話帳情報と動画を入手している。ばらまかれたくなければ、指定の金額を支払うように」という脅迫電話がかかってきた。

 このビデオチャットアプリは、電話帳情報を詐取する機能を備えた不正アプリだと考えられる。ビデオチャットを通じて送信されたセクシー動画も当然相手の手に渡っている。電話帳には親しい友人や会社関係者などの情報が入っているため、セクシー動画をばらまかれることを恐れる被害者は脅しに屈してしまいがちだ。

 IPAは、万が一こうした脅迫に遭った場合は、相手とうかつに接触することは避けて、警察に相談することを検討するよう呼びかけている。仮に金銭を支払ったとしても、一度相手に渡ってしまった動画データを取り戻すことは難しい。

 それ以前の対策として、IPAはアプリは信頼できるアプリマーケット(Google PlayやApp Storeなど)から正規のアプリをインストールするよう呼びかけている。少なくとも、知らないうちに電話帳データなどを詐取されるような事態は避けやすい。

 正規のアプリを使った場合でも、ビデオチャットや動画機能付きメッセンジャーのようなアプリを使ってセクシー動画を送ってしまえば、やはり回収することは不可能だ。IPAは「SNSを通じて知り合った、実際に会ったことのない相手はもちろんのこと、たとえ友人や恋人であっても、第三者に見られたら困るプライベートな写真や動画を撮影させたり、そのデータを送ったりしてはいけない」としている。

 さらに、「特定の相手に写真や動画を渡すことは、インターネットに公開することと同じという認識を持つことが重要。ネットに公開されて困るような写真や動画は、そもそも撮影しないことが賢明」とまで踏み込んで、セクシー動画の安易な撮影に警鐘を鳴らしている。

情報処理推進機構(IPA)の発表資料