図●国内エンタープライズITトランスフォーメーション成熟度のステージごとの分布
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 調査会社のIDC Japanは2016年3月30日、国内企業におけるエンタープライズITトランスフォーメーション(以下、EIT)に関する調査結果を発表した。EITとは「モビリティ」、「クラウド」、「ビッグデータ/アナリティクス」、「ソーシャル技術」の「第3のプラットフォーム技術」を用いてITインフラを刷新し、ビジネス変革を推進する取り組みのこと。

 調査では、国内ユーザー企業に属する176人のCIOにWebアンケートを実施し、国内企業の「EIT成熟度」を分析した。それによると国内企業の5割以上が5段階中、中位の「標準基盤化ステージ(レベル3)」の成熟度にあることが明らかになった。

 同社は、今回の調査で独自開発のIDC MaturiyScapeを活用した。これは、IT環境の導入状況を客観的に評価するための調査手法。特定のIT環境について、「まったく導入していない」場合を「レベル0(未導入)」とし、導入後のユーザー企業の成熟度を「レベル1(個人依存:基本IT)」、「レベル2(限定的導入:第2のプラットフォーム基盤のIT)」、「レベル3(標準基盤化:第3のプラットフォーム基盤のIT)」、「レベル4(定量的管理:ビジネスのイノベーション)」、「レベル5(継続的革新:ビジネスの変革)」の5段階のステージに分けて評価した。

 今回の調査では、ユーザー企業のEIT成熟度を、EIT推進の主要な能力である、「戦略とイノベーション」「組織開発とタレントマネジメント」「ITサービスマネジメント」「エンタープライズアーキテクチャ」「ベンダーソーシングマネジメント」の5つの評価項目から総合的に分析。その結果、国内では、レベル1のEIT成熟度を持つユーザー企業が3.2%、レベル2が27.1%、レベル3が56.6%、レベル4が8.6%、レベル5が4.4%で、「限定的導入ステージ(レベル2)」と「標準基盤化ステージ(レベル3)」に分布される企業の合計が全体の8割以上を占めた。

 この結果から現時点では、企業が目指すべき「定量的管理ステージ(レベル4)」や「継続的革新ステージ(レベル5)」には至っていないと指摘。第3のプラットフォームの潜在的効果を認知し、第3のプラットフォーム技術の導入を進めているものの、ビジネス戦略と一体となった全社横断的なEITの取り組みが実現できていない企業がほとんどであると分析した。

 同社は、「国内のユーザー企業のほとんどがEITに取り組んでおり、ビジネス変革への対応を進めようとしている」と指摘。同時に「横並び感が否めない。今、多くのCIOに求められるのは、競合相手を凌ぐ勢いでEITをけん引することであり、真のビジネス変革に向けて、横並び意識から一歩抜け出すことである」と指摘している。

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