図1●着服事件を受けてNECネッツエスアイが提出した「訂正報告書」
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 神奈川県警は2014年10月22日、NECグループのネッツエスアイ東洋(川崎市)の50歳代の元経理部社員を業務上横領容疑で逮捕した。不正経理により、同社から約2億7000万円を着服した疑いがある。日本経済新聞など各紙が一斉に報じた。

 ネッツエスアイ東洋は、NECネッツエスアイの子会社で、NECの孫会社に当たる。NECネッツエスアイは日経コンピュータの取材に対し、逮捕の事実を認めた。

 NECネッツエスアイとネッツエスアイ東洋は1月17日に不正発覚の事実を情報開示(関連記事:NECネッツエスアイ子会社で着服事件、約15億円をネット競馬などに使う)。調査を進め、2月14日までに被害総額が約15億6000万円であると算定して、過年度にわたって決算を訂正した(図1)。さらに当該社員を懲戒解雇したうえで神奈川県警に刑事告訴していた。

 横領された金額は、着服後に返納したため結果的にネッツエスアイ東洋の損失にならなかった分も含め、約18億円に上るとみられる。今後、容疑対象の金額は約2億7000万円から大幅に増える可能性が高い。

会計システムなど内部統制に不備

 調査を主導したNECネッツエスアイの調査報告書によれば、会計情報システムや経理部の体制、組織風土など多くの点で内部統制に不備があったとしている。

 逮捕された元社員は、旧東洋通信機に入社し、一貫して経理部門に勤務していた。2005年に旧東洋通信機の一部部門が会社分割されてネッツエスアイ東洋が設立された直後から不正に手を染めたという。調査報告書は、不正は2013年12月の発覚まで8年以上にわたって続いたとしている。

 元社員は、最初は、経理部が管理する金庫から現金を抜き取るという単純な手口で着服した。「競馬で勝って元に戻せばいい」と短絡的に考えるうちに負けが込み、着服額も次第に高額になった。着服金は競馬やtoto(スポーツ振興くじ)などで使い込み、競馬のインターネット投票で1日当たり2000万円以上使うこともあったという。

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