米WhatsAppのWebサイト
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 米Facebookは、スマートフォン向けメッセージングアプリケーションを手がける米WhatsAppの買収を現地時間2014年10月6日に完了した。当初160億ドルだった買収額は約183億ドルに膨らみ、従業員引き止めのための制限付き株(RSU)も含めると総額218億ドルを超えた。

 Facebookは2014年2月に、WhatsAppを買収することで両社が合意したことを発表した(関連記事:Facebook、メッセージングアプリ「WhatsApp」を約160億ドルで買収へ)。WhatsAppは、氏名、住所、電子メールアドレスといった個人情報を取得せず、広告を表示しないビジネスモデルが受け入れられ、2月時点の月間ユーザーは4億5000万人以上。米メディアの報道(Forbes)によると、現在の月間ユーザーは6億人を超える。

 買収計画を公表した際、FacebookはWhatsAppを独立した事業として維持し、プライバシー原則を変えないことを強調したが、WhatsAppが従来のプライバシー原則を変更してユーザー情報をFacebookに渡すことを懸念したプライバシー擁護団体などが、3月に米連邦取引委員会(FTC)に調査を要求。しかしFTCは4月、プライバシー保護の義務について両社に忠告した上で、同買収を承認した(関連記事:FacebookのWhatsApp買収計画、FTCが釘を刺しつつ承認)。

 また欧州においては、Facebookは欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)に買収計画を8月29日に正式通知したが、各EU加盟国でそれぞれ調査を受ける煩わしさを回避するため、5月の段階で自らECに審査を要請した。ECは競合社らを対象にアンケートを実施するなど、買収計画を慎重に調べた結果、「欧州の市場競争を阻害しないとの結論に達した」として、10月3日に無条件で承認した(関連記事:欧州委がFacebookのWhatsApp買収計画を無条件で承認)。

 Facebookが今回、米証券取引委員会(SEC)に提出した臨時報告書(Form 8-K)によると、Facebookは現金約45億9000万ドルとFacebookのクラスA普通株式1億7776万669株を支払った。また、WhatsApp従業員確保のために、4594万1775株のRSUを追加した。

 Facebook株の10月6日の始値は77.17ドルで、買収を発表した2月19日から約13%上昇している。これをもとに換算すると、買収手続きの総額は約218億6000万ドルとなる。

 WhatsApp共同創業者で最高経営責任者(CEO)のJan Koum氏はFacebookの取締役会に加入する。Koum氏の年間報酬は1ドルで、特別賞与などは受け取らない。しかし、2485万3468株のRSUが付与され、10月6日のFacebook株価をもとに換算すると約19億ドルに相当する。

[発表資料(SECへの提出書類)]