写真●右から順に、米イーベイツのケビン・H・ジョンソンCEO(最高経営責任者)、楽天の三木谷浩史社長、米スライス・テクノロジーズのスコット・ブレデイCEO(最高経営責任者)
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 楽天は2014年9月9日、インターネット通販の関連サイトを運営する米イーベイツを買収すると発表した(写真)。約10億ドル(約1050億円)で同社の発行済株式をすべて取得し、子会社化する。米国をはじめとした海外市場での展開を強化することで「2020年には、海外での売上比率50%を目指す」(楽天の三木谷浩史社長)。

 同社は同日に、購買データの解析技術を開発する米スライス・テクノロジーズの買収も発表した。楽天は2013年7月にスライス・テクノロジーズの株式を22.6%保持しており、残りの77.4%を取得するかたちとなった。取得額は1億400万ドル程度だという。

 イーベイツは1999年設立でネット通販の際に現金をキャッシュバックするサービスを提供、小売店や旅行代理店など約2600以上の企業と連携する。会員数は約1000万人でロシア、中国、韓国などでもサービス展開している。2013年度の売上収益は1億7000万ドル、営業利益は1367万ドル。流通総額は約22億ドルで、2014年度には約30億ドルを見込む。

 楽天の三木谷社長は、「楽天市場の会員が、イーベイツに連携する企業の商品を購入できるようになる」と話す。イーベイツには「NIKE」で知られる米ナイキや「GAP」の米ギャップなども提携している。例えば、楽天市場を通じて、GAPブランドの商品を購入できる世界を描く。「まるで米国のデパートで買い物ができる」(三木谷社長)として、マーケットの拡大を期待する。

 スライス・テクノロジーズは、2010年設立で小売店やネット通販での購買データをレシートなどから抽出、分析する技術を提供する。同社の技術を取り込むことで、楽天の三木谷社長は「データを活用するEC事業へシフトしていく」と話す。

 楽天は2010年に米バイ・ドット・コムを、2011年には英プレイ・ドット・コムなどECサイトを運営する海外企業を買収してきた。しかし、流通総額の海外比率は約6%程度にとどまっていたため、海外展開の遅れが投資家から懸念材料とされていた。

 イーベイツの買収により、流通総額の海外比率は約16%まで増加。ECサイトそのものを運営する企業ではなく、関連サービスを提供する企業を買収することでシェアの拡大を狙う。投資家から長年の懸念材料とされてきた海外展開に1つの解を出した。