写真1●マルチビュー映像配信サービスのイメージ。左がライブ映像、右がリプレイ映像の視聴ページ。Lions Wi-Fiに接続するとWebブラウザーにメニューが表示され、「マルチビュー映像」を選ぶことで視聴できる。
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写真2●西武ドームには約80台の無線LANアクセスポイントを設置済み。指向性アンテナを駆使して高密度を実現した。
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 NTTは2014年9月8日、西武ライオンズと協力し、野球の試合を様々なアングルの映像で楽しめる「マルチビュー映像配信サービス」の実証実験を実施すると発表した。球場内に複数のカメラを設置し、映像を観戦者のスマートデバイスに配信するもので、通常の実況中継とは別に元プロ野球選手によるマルチビュー専用の解説も聞ける。

 実証実験は9月14日と15日に西武ドームで行われる「埼玉西武ライオンズ 対 東北楽天ゴールデンイーグルス」の試合で実施する。西武ライオンズは2013年3月から観戦者向けに「Lions Wi-Fi」の名称で、無料のインターネット接続をはじめ、リアルタイムの対戦データや選手名鑑、ゲーム、クイズなどを提供している。今回の実証実験もこの仕組みを使って展開する(写真1)。

 球場内に新たに設置したカメラは、「一塁側」「三塁側」「バックネット裏下段」「バックネット裏上段」「実況・解説」の5台。ピッチャーやバッター、走塁、守備位置などに着目して撮影しており、テレビ中継と同じ内容を含め、6つのアングルでライブ映像を視聴できる。イニングや打席ごとのリプレイ映像も配信する。

 さらに元プロ野球選手(西武ライオンズOB)による専門の解説を加えることで、普段と違った角度から観戦を楽しめる。例えば、「一塁ランナーは俊足なので、この場面は走るかもしれませんね。バックネット裏上段カメラで走り出すタイミングにご注目ください」「今のヒットはアウトコースの球に逆らわず、綺麗に流し打ちしていますね。ぜひ一塁側カメラでリプレイ映像をお楽しみください」といった実況が予想されるという。

 映像配信システムの構築と運用はNTTぷらら、Lions Wi-Fiの運用はエヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームがそれぞれ担当する。配信システムの同時接続数は最大400人程度。配信のビットレートは1Mビット/秒、750kビット/秒、450kビット/秒の3種類となり、無線LANの通信環境に応じて自動で切り替える。西武ドームには約80台の無線LANアクセスポイント(周辺を含めると約150台)が設置してあり、Lions Wi-Fi自体は数千人規模の同時接続にも対応できるようになっているという(写真2)。

 商用化は、今回の実証実験のアンケート結果などを踏まえて改めて検討する。NTTグループは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを控え、スポーツ観戦の新たな楽しみ方として他のスタジアムなどにも積極的に売り込んでいく考え。スマートデバイスを活用した電子チケットや座席案内、飲食物やグッズの注文・販売、クーポン配信、スタンプカードなどを含めたソリューション展開を計画している。