法人番号は、国税庁が企業などの法人に指定した13桁の番号だ。国税庁が運営する「法人番号公表サイト」や、経済産業省が運営する「経済産業省版法人ポータル」で調べられる。最も多い企業名や法人数が最も多い自治体なども簡単に分かる。

 国内にある企業で一番多い社名をご存じだろうか。実は、国税庁が運営している「法人番号公表サイト」で簡単に調べられる(図1)。

図1 国税庁が運営している「法人番号公表サイト」
約437万件の法人番号から社名や所在地を検索
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 法人番号とは、国税庁が官民の情報連携を効率化するために、企業などの法人に指定した13桁の番号である。個人番号(マイナンバー)と異なり、原則として公表されて誰でも自由に使える。

 国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号が公表された約437万件の法人について、法人番号から社名や所在地を検索できる。逆に、社名や所在地、郵便番号から法人番号を調べることも可能だ。

 例えば、日経BP社の場合は登記社名の「日経ビーピー」で検索すると、法人番号や所在地が分かる。

 マイナンバー制度では、地方自治体が国内に住む全ての人にマイナンバー(個人番号)を付番した。同じように、国税庁は国内にある企業や行政機関など法人に唯一無二の13桁の法人番号を割り当てた。

 法人番号公表サイトでは、誰でも自由に公表された法人番号に加えて、社名や商号、本店や主たる事務所の「所在地データ」の「基本3情報」を調べられる。法人番号公表サイトのデータは日次で更新される。主たる所在地や商号などの変更履歴も分かる。

 つまり、法人番号で企業のデータを管理していれば、商号や社名、所在地が変わったとしても、常に最新の社名や所在地を入手できるというメリットもある。

 法人番号公表サイトのトップ画面から「基本3情報ダウンロード」をクリックすると、「全件データのダウンロード(各都道府県別)」からCSV形式などで、公表された法人番号や社名、所在地データの基本3情報をダウンロードできる。

社名トップは「株式会社アシスト」

 法人番号公表サイトから2016年6月末時点の全件データをダウンロードして、Excelで社名を集計したものが以下の表だ。

 これによると、企業名で一番多いのは「株式会社アシスト」で、全国に520社ある。二番手は「株式会社ライズ」で461社、以下「株式会社アドバンス」が418社と続く(表1)。

表1 法人番号公表サイトのダウンロードデータによる多い企業社名
企業名で一番多いのは「株式会社アシスト」
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 法人番号が付番されるのは企業だけではない。行政機関や地方公共団体、設立登記された宗教法人や学校法人、社団法人などにも付番されている。

 法人番号は、会社法やその他の法令の規定に基づいて設立の登記をした法人(設立登記法人)のほか、国の機関、地方公共団体、これら以外の「法人又は人格のない社団等」で、法人税・消費税の申告納税義務や給与などにかかわる所得税の源泉徴収義務がある団体に指定される。これらの法人には、届出手続きなどをしなくても、国税庁長官が法人番号を指定する。

 こうした全ての法人名をランキングしたものが次の表である(表2)。全国には、実に3986の「八幡神社」があることが分かる。

表2 法人番号公表サイトのダウンロードデータによる多い法人名
全国に3986の「八幡神社」
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法人数が最も多いのは東京都港区

 法人番号は登記や税務上の届出などに基づいて指定される。そこで法人番号公表サイトで、法人数が最も多い自治体はどこか調べると、東京都港区の9万6633件が断トツのトップだ。2位の東京都中央区の6万6160件を大きく上回る(図2)。

図2 法人番号公表サイトで、法人数が最も多い自治体
法人数は港区が断トツ
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 さらに、法人数が多い全国トップ50の自治体を対象に、法人数と自治体の人口と比べてみたのが次の表だ(表3)。

表3 法人数トップ50の自治体と2015年国勢調査の人口速報集計の市区町村別人口を比較
千代田区は法人の数の方が人口を上回る
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 法人数と2015年に行われた国勢調査の人口速報集計の市区町村別の人口を比べてみると、東京都千代田区では法人の数の方が人口を上回っているようだ。

 自治体に住んでいる人の数ではなく、通勤や通学で他の地域から流入する人口などを考慮した昼間人口と比べてみよう。2010年の国勢調査による昼間人口と比べてみると、法人数が多い全国トップ50の自治体のうち、法人数に比べて昼間人口が少ないのは東京都渋谷区となる。

 法人番号は「経済産業省版法人ポータル」でも調べられる。経産省は法人番号で情報を活用できる「法人ポータル」のベータ版を公開した(図3)。

図3 「経済産業省版法人ポータル」のベータ版
法人番号で企業の様々な情報も引き出せる
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 経産省は、省内の企業データを加えて、法人番号と補助金や表彰情報などの法人情報をひも付けて公開している。

 2017年1月からは、各省庁が保有する法人情報をCSVファイルやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)などで提供を受けて一覧で表示する予定という。法人番号にひも付けられる情報が今後増えると、企業情報を集めやすくなり、業務の効率化が期待できる。

 次回は、法人番号の詳しい利用法を紹介する。また法人番号をパソコンなどで手入力する際の注意点についても説明する。

出典:日経コンピュータ 2016年10月27日号 pp.100-103
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。