日本航空(JAL)は2016年11月1日、整備場の資材管理にビーコンを使用する実証実験を始めると発表した。羽田空港の格納庫などで航空機の整備に使う作業台200台のうち140台にビーコンを装着。整備士が持ち歩くスマートフォン(スマホ)とBluetoothで通信することで作業台の現在位置を把握する。11月10日から2017年3月までの実証実験を通じて、作業効率の改善効果などを検証する。

JALが実証実験に使用するビーコン「MAMORIO」(11月1日、東京・羽田空港のJAL格納庫)
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 実証実験に使用するビーコンは、IoT(Internet of Things)ベンチャーのMAMORIO(東京都千代田区)が開発した「MAMORIO」。幅19mm×高さ35.5mm×厚さ3.4mmと小型ながら、「5秒間隔で半径30mに信号を発信でき、内蔵のリチウム電池で最大1年程度動作し続ける」(MAMORIOの泉水亮介最高執行責任者=COO)のが特徴だ。

 ビーコンからはBluetooth 4.0でID情報が発信され、それを専用アプリをインストールした整備士のスマホで受信。スマホ側でGPSやLTEの基地局情報を基にビーコンの大まかな位置を算出し、MAMORIOのサーバーに送る。測定誤差はスマホの測位誤差に準じ、「空港の屋外ならば見通しが利くので5m程度の誤差に収まる見込み」(泉水COO)としている。

 航空機の整備に使う作業台は、高さや製造時期により約10種類ある。機体のどの部分を整備するかによって、必要となる作業台が異なる。また、格納庫が広大であるため作業台の返却場所も複数あるほか、作業台の高さと駐機の状況によっては整備終了直後に作業台を所定の位置に戻せないこともあるという。

JALが整備作業で使用している作業台。約10種類あり、作業の箇所や内容に応じ使い分けている
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