玩具卸最大手のハピネットが販売システムの開発失敗を巡って、開発受託ベンダーのSRAとの間で双方を訴えていた係争に一旦の区切りがついた。ハピネットとSRAホールディングスは2016年10月31日、東京地方裁判所の判決が言い渡されたことをそれぞれ公表した。

 SRAがハピネットを訴えたのは5年前の2011年3月31日。「ハピネットが2009年に一方的に開発作業を停止するように指示し、既に納品・検収したものや現に使用しているものについても代金の支払いを拒否した」として、未払いの開発費など4億245万9817円の支払いを求めた。これに対し今回、東京地裁はハピネットに2232万5625円の支払いを命じた。

 SRAの提訴から6日後の2011年4月6日、今度はハピネットが支払い済みの開発費など11億5843万7653円の返還を求めてSRAを反訴した。「販売システムについて、SRAが契約で定めた成果物を期限までに納品せず、債務不履行の状態にあった」という主張だ。

 反訴について東京地裁は、SRAに7億9032万2500円の支払いを命じた。請求額の68%が認められたハピネットはプレスリリースで「判決は当社の主張をおおかた認める内容」とコメントした。

 一方、請求額の5%しか認められなかったSRAホールディングスは「当社の主張が認められず、誠に遺憾」で、「到底、承服できるものではありません」(プレスリリース)とした。「システム開発における顧客との契約および信頼関係を根底から覆す恐れがあること」(同)がその理由という。今後、同社は弁護士と判決内容を精査し、方針を検討するとしている。

レガシーマイグレーションに失敗

 両社は旧販売システムを新販売システムに刷新するプロジェクトを2008年9月に開始。本稼働予定は2010年2月の予定だったが、2009年12月にプロジェクトがストップした。

 SRAの見積額は13億6380万円。プロジェクトは2段階で進める予定だった。

 具体的には、まず2008年9月から2009年6月までの第一段階で、AS/400上で稼働する旧システムのRPGアプリケーションをSRAの独自ツールでJavaプログラムに変換しつつ、新システムの要件を固める。続く第2段階ではJavaプログラムをリファクタリングしつつ、第1段階で決めた要件を追加して稼働させる、というものだった。

 第1段階の終盤で変換ツールの不具合から納品が遅れた。これを機に両社の関係がこじれていった。