「日本企業はデジタルビジネスへの参加で海外企業に比べて遅れを取っている。とても懸念すべき状況だ」。

 米ガートナーは2016年10月6日、同社が東京都内のホテルで開催中の「Gartner Symposium/ITxpo 2016」(7日まで)の会場内で記者会見を開き、世界中の有力企業のCIO(最高情報責任者)を対象とした毎年恒例の調査「CIOアジェンダ・サーベイ2017」の要点を説明した。

写真1●リサーチ部門バイス プレジデントのアンディ・ラウゼル・ジョーンズ(Andy Rowsell-Jones)氏
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 今年の調査を担当したリサーチ部門バイス プレジデントのアンディ・ラウゼル・ジョーンズ(Andy Rowsell-Jones)氏(写真1)は冒頭のように述べ、日本企業のCIOが「デジタル革命」への対応に後ろ向きであることが表れた調査結果に憂慮を示した。

ERP投資への重点配分が続く日本企業

 ラウゼル・ジョーンズ氏はAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)、FinTechといった「デジタル革命」の動きが台頭する経営環境の中で、企業のCIOは、デジタル革命に対応した組織再編や予算配分の変更を迫られている状況を説明。これに対する日本企業の動きが鈍いことに関し、調査結果を基に説明した。

写真2●新規・裁量的IT投資で金額が大きい分野に関する回答
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 具体的には、「2016年の新規または裁量的IT投資で、金額が大きいものを3つ挙げてください」という質問に対する回答を説明(写真2)。世界中の企業のうち、デジタル革命に積極的な「先進企業」のグループでは「デジタル化/デジタル・マーケティング」と回答した企業が20%に上り、「ERP(統合基幹業務システム)」と回答した企業は8%に過ぎなかった。ところが、日本企業では「デジタル化/デジタル・マーケティング」が3%、「ERP」が26%と比率が逆転する。

 ラウゼル・ジョーンズ氏は「日本企業は既存の業務プロセスを改善するERPへの投資に追われ、新しいデジタル化の分野に対して十分に投資できていない」と述べた。