富士通は2016年10月3日、人工知能(AI)技術と監視カメラの映像を利用して都市状況や駐車場の空き状況をリアルタイムに把握できるサービスの提供を開始した。独自のAI技術「Human Centric AI Zinrai」と高速画像処理技術を組み合わせ、多数の監視カメラの映像を自動解析する。「人の顔や服装、車の種類などを幅広く分類できるのが特徴」(広報)で、交通システムの改善や、人や車の流れの把握、防犯などへの活用を促す。

 サービスは2種類ある。都市状況を監視するサービスである「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance」は、監視カメラの映像から人物の顔や服装、車の車種などを自動で把握する。主な用途として、人や車の流れの判定や防犯などを想定。

空港での「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance」の利用例
(出所:富士通)
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 画像認識技術にはディープラーニング(深層学習:多層のニューラルネットによる機械学習)の1種であるDNN(ディープニューラルネットワーク)やCNN(畳み込みニューラルネット)を利用し、対象物の特徴を把握するという。収集した映像データは顧客のコンピュータで分散処理する。将来的には富士通のクラウドセンターでの処理も検討している。

 もう一つが駐車場を監視するサービスである「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Parking Analysis」。監視カメラの映像から駐車場の空き状況を把握したり、不審な駐車や駐車禁止エリアの駐車を監視したりする。

駐車場での「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Parking Analysis」の利用例
(出所:富士通)
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 屋外では1台の監視カメラで最大100台分の駐車スペースを監視し、視界が遮られる屋内駐車場でも車の入出庫状況から駐車場内の台数を把握する。駐車場管理者は手元のスマートフォンで手軽に状況を確認できるという。

 富士通は両サービスを空港や駅、商業施設、駐車場などの施設の管理会社や、自治体などでの利用を見込む。価格は利用用途や規模に応じた個別見積もりとなる。

 同社は2015年にアラブ首長国連邦ドバイ首長国で同技術の実証実験を実施。駐車状況の把握や車両台数の計測といった検証を進め、認識精度を向上させたという。