スマホ全体とシェア上位メーカーについて、大手家電量販店での月次販売台数を前年同月比で示したグラフ。直近では、総務省の行政指導前の駆け込み需要があった2015年12月~2016年1月と、「ポケモンGO」効果で買い換えが増えた2016年7月以外は伸び悩んでいる
(出所:BCN)
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SIMフリースマホのシェア上位メーカーについて、大手家電量販店での月次販売台数を前年同月比で示したグラフ。夏商戦ではファーウェイが伸長した一方、エイスースは息切れ。富士通は機種数が少ないことを考慮すると健闘しているとする
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BCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリスト
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 市場調査会社のBCN(東京都千代田区)は2016年9月14日、スマートフォン(スマホ)市場動向に関する説明会を開催。16日に発売される米アップルの「iPhone 7」「同 7 Plus」の販売台数について「少なくとも前機種の『iPhone 6s』『同 6s Plus』よりは売れるだろうが、2代前の『iPhone 6』の販売実績に届くかどうかは疑問」(BCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリスト)との見通しを示した。

 道越氏は、iPhone 7/7 Plusの特徴である防水機構、FeliCaや2モジュール構成の背面カメラなどについて「iPhoneとしては新機能が多いものの、Androidを含めたスマホ全体でみれば珍しい機能とはいえない」と指摘。iPhoneの従来機からの買い換えは見込めるが、AndroidからiPhone 7への買い換えを促すにはインパクトが弱いとの見方を示した。

 加えて道越氏は、スマホ市場そのものがここ2年間ほど頭打ちになっていること、「実質0円」「一括0円」といった極端な値引きを設定する販売施策が総務省の行政指導により事実上不可能になったこと、などに言及。これらによりストレージ容量の少ない低価格モデルなどの販売が鈍っており、iPhone 7/7 Plusでも同様の傾向が続く可能性を指摘した。

 また、iPhone 7/7 Plusの発売後、iPhone全体における新旧機種の販売構成比について「iPhone 6s/6s Plusの発売後と比べ旧機種の構成比が上がるだろう」とみる。これは、新機種では0円施策が事実上不可能になったのに対し、旧機種では行政指導の対象になっておらず可能であるためだ。

 とはいえ「2016年3月発売の『iPhone SE』は、ふたを開けてみるとあまり売れなかった。iPhone 6s/6s Plusなどの旧機種がAndroidを含む他のスマホと比べ魅力的に映るかどうかという点で、現段階で旧機種を求めるユーザーがどれほどいるかは疑問だ。新機種を凌駕するほどにはならないのではないか」と語り、iPhone販売台数のうち旧機種の構成比が増えるとしても、小幅にとどまるとの見方を示した。

 スマホ市場全体では、ユーザーが任意の通信事業者と契約できるSIMフリー端末が躍進し、大手通信事業者が販売するSIMロック端末が伸び悩む構図が続いている。2016年6~8月の販売台数を前年同月と比較すると、SIMフリー端末が31.4%増、SIMロック端末が3.1%減と明暗を分けた。

 スマホ全体に占めるSIMフリー端末の構成比は2016年8月に18.9%まで拡大。ただし「SIMフリー端末は販売チャネルが弱い。ライトユーザーが気軽にショップで買える環境を整えられなければ、今後構成比を3~4割に伸ばすのは難しい」とする。