2016年4月にデータベース(DB)サーバー専用機「Exadata」の最新版「Exadata X6 Database Machine( Exadata X6)」を市場に投入した米オラクル(関連記事:日本オラクルがDB専用機「Exadata」の第7世代を出荷、性能と容量を向上)。第7世代となるExadata X6では、CPUやストレージ性能などを中心に強化した。同社によれば、他社のオールフラッシュストレージアレイに比べて、データ処理性能を10倍以上高速にした。

 このほか、クラウドサービスで提供する「Oracle Database Exadata Cloud Service」を開始。初期導入コストを減らすことで、中小企業なども利用しやすくする狙いだ。初代Exadataから開発に携わってきた開発責任者のホアン・ロアイザ システムテクノロジー担当シニア・バイスプレジデントに話を聞いた。

写真1●Exadataの開発責任者ホアン・ロアイザ氏
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「Exadata X6」ではCPU性能や、フラッシュストレージの性能を向上させました。

 Exadata x6の利用価格は、Exadata X5と同額です。そのうえで、基本性能を向上させています。

 CPUは、22コアのXeon E5-2699 v4(Broadwell-EP)を搭載しています。一つ前の第6世代は、18コアのXeon E5-2699 v3(Haswell-EP)を使っていました。第7世代では、処理性能が25%向上しています。

 ラック当たりでは、300Gバイト/秒のデータ処理性能を実現しています。DRAMの処理性能が500G~600Gバイトだとすると、それに比べて申し分ないと考えています。

 フラッシュストレージの容量は拡張しました、ラック当たり最大360Tバイトまで増やしています。第6世代までは最大230Tバイトでした。

開発に当たっての指針、考え方を教えてください。

 考え方はいたってシンプルです。当社のDBを動かすのに最も良いプラットフォームを作ることです。ソフトウエア、OS、ファームウエア、ネットワーク、そしてパッチやサポートなど必要なものが全てが統合的に提供されています。

 これらは進化し続けています。例えば、ソフトウエアを見てみましょう。継続的に機能をアップデートしており、最新版のExadataに限らず、既存のユーザーもアップデートを受けられます。メジャーなアップデートは1年に1回です。

クラウドサービスの提供を開始されました。

 今回提供開始したのは、「Oracle Database Exadata Cloud Service」です。これはPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の「Oracle Database Cloud Service」の一部として追加しました。Exadataと同等の高速DB環境をパブリッククラウドとして提供します。

 狙いは、中小企業が導入しやすくすることです。Exadataはこれまで、大手のユーザー企業が中心に使ってきました。金融、通信、小売り業などの業種で、グローバル企業の上位5社のうち4社はExadataを使っています。日本では、みずほフィナンシャルグループ、マツダ、ソフトバンク、日産自動車などが利用しています。

写真2●「パブリッククラウドから高速DB環境を提供。中小企業の利用も広げる」と話す
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 これからは、クラウドから手軽にExadataを使うことができます。ユーザーは、Webブラウザから画面をクリックしていくだけで、利用開始できる。

 オンプレミスの場合を考えてみてください。ユーザーは、Exadataを注文してから納品されるまで待ちます。その後、ソフトウエアをインストールして、セットアップする。クラウドから利用する場合はこれらの手間を省けます。あらかじめ当社のエンジニアが利用環境を整備しているからです。ユーザーは、インフラ環境のセットアップに気を使うことなく、アプリに注意を払っていればいいのです。

 初期の導入コストを減らせるメリットもあります。小さく始められるます。1カ月当たり、数百万円から始めて、必要に応じて拡張できます。Exadata Cloud Serviceは月額料金が4万ドルからです。

 パブリッククラウドでExadataを使えます。これは、オンプレミスで使っていたDBをそのままクラウド上に移動できるということになります。ユーザーは、オンプレミスで稼働する同じアプリケーションをクラウド上で稼働させられるのです。

欧州SAPはインメモリーDBの「HANA」に注力しています。

 インメモリーのDBは、5~6年前を振り返ると少なかったですが、今の市場ではありふれたものになってしまいました。

 SAPは当社よりも早くインメモリーDBを市場投入しました。「HANA」です。

 しかし現在は当社に限らず、米マイクロソフト、米IBM、米テラデータといったベンダーがインメモリーを活用した技術を実装しています。名の知られたDBのベンダーは同じような技術を持っていると言ってよいでしょう。

 HANAのデメリットとしては、インメモリーに特化しているということではないでしょうか。当社やIBMなどのベンダーは、インメモリーとストレージの両方の組み合わせに強みがあります。

 もちろん、SAPのHANAもインメモリーとストレージを組み合わせられる仕様を持っています。しかしやはりDBのベンダーのほうが一日の長があるでしょう。データ分析という目的ではHANAは成功するでしょう。しかしOLTP(オンライントランザクション処理)などについては、適していないと私は考えます。