写真1●デュオリンゴ創業者のルイス・フォン・アン氏
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 オンライン語学学習アプリの米デュオリンゴは2015年6月10日、米グーグルキャピタルなどを中心に計4500万ドル(約55億円)の資金調達を実施したと発表した。

 同社が無償で提供する語学学習アプリ「Duolingo」は、世界で1億人以上のユーザーを抱える。加えて、語学教材としてDuolingoを採用する教職員向けのサービス「Duolingo for Schools」は、10万人以上の教職員が登録している。同サービスでは、教職員は登録した生徒アカウントについて学習進捗を管理できる。

 デュオリンゴが今後の重要な収入源の一つと考えているのが、TOEICやTOEFLなどの代替としてユーザーの語学力を検定する有償テスト「Test Center」だ。現在は、20ドルで英語力を検定するサービスを提供している。

 検定結果を保証するため、Webカメラなどによる身分証明書の確認やテスト中の監視を通じ、「替え玉受験」などの不正を防いでいる。クラウドソーシング大手の米オーデスクは、Duolingoによる英語検定を、登録者の英語力の証明として使っているという。

自然言語処理エンジニアを引きつける存在に

 デュオリンゴは、1億人というユーザーを獲得したことで、自然言語処理を専門とするソフトウエアエンジニアを引きつけるプラットフォームに成長している。

 米グーグル、米マイクロソフト(インターン)、中国百度(Baidu)、楽天技術研究所を経て2015年2月からデュオリンゴに参加している萩原正人氏は、Duolingoの開発に携わって驚いたこととして、システムを改良して1週間で学習効果の変化を計れることを挙げる。「これまで語学教育の研究では、数十人の生徒に対して実験し、その成果を次年度に生かすことしかできなかった。Duolingoでは、数千万人のユーザーを対象に一斉にABテストを行い、1週間で改善、検証のサイクルを回すことができる」(萩原氏)。

 同じくデュオリンゴ社員である嶋英樹氏は、米カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部博士課程を経て、2014年9月からデュオリンゴに入社した。「膨大なユーザーから集めた学習データを基に、人間が単語を記憶する仕組みについて新たなモデルを作ることができる。学問的にも未踏の分野だ」(嶋氏)。嶋氏は、レッスンを動的に生成するアルゴリズムの開発や、学習ログの分析などを行っている。

 Duolingoではベータ版を含めて40カ国語を扱うため、異なる言語の間で学習成果を比較することもできるという。少数派の言語として、ヘブライ語やイディッシュ(ユダヤ人などが使うドイツ語方言)、はては人工言語であるエスペラントやクリンゴン語(「スタートレック」シリーズのクリンゴン人が使用する言語)も学習できる。