個人が所有するモノや空間などを、他者と共有することで成り立つ経済の仕組み。提供者と利用者を仲立ちするネットサービスが次々と登場し、中心的な役割を担っている。

 自宅の空き部屋や敷地内の空きスペース、平日は運転しない車など、身の回りには“普段あまり使わない”モノや空間が多くあります。これらを他の誰かに有償で貸し出せば、新たな収入源になります。ただし、個人の所有は規模が小さく、宣伝にコストもかけられません。そう簡単には利用者を見つけられないものです。

 そこで登場したのが、使わないモノや空間などの提供者と、それらの利用者を仲介するネットサービスです。既に多くのユーザーを集めたことで、シェアリングエコノミーと呼ぶ新たな経済の仕組みとして認知されるまでに発展してきました。

概要:メーカーも自社製品を提供

 シェアリングエコノミーでは、上記のネットサービスが重要な役割を担っています。最大手と見られるのが、自宅の空き部屋を宿泊場所として共有する「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。日本を含む世界190カ国でサービスを提供しています。自家用車を使ったハイヤーを共有する「Uber(ウーバー)」も、世界67カ国で展開中です。

 国内でも、車の座席を共有する「notteco(のってこ!)」、車1台を丸ごと共有する「Anyca(エニカ)」、飲食店の個室や企業の会議室などを共有する「スペースマーケット」、小売店や飲食店といった物販スペースを共有する「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」、駐車場を共有する「akippa(あきっぱ)」など、次々と新サービスが登場しています。

 シェアリングエコノミーは基本的に、個人の提供者と利用者を対象にしたCtoCの概念です。ところが最近は、企業が提供者となるBtoCも含めて捉えられるようになっています。企業が購入・生産した衣類を共有する「airCloset(エアクローゼット)」や「mechakari(メチャカリ)」まで登場しているためです。mechakariはアパレル大手のクロスカンパニー(岡山市)が運営しています。

 消費者の行動を所有から共有へ転換させるシェアリングエコノミーは、まだ始まったばかりです。現状の法規制は対応できていないという課題を抱えています。

課題:法の整備が追いつかない

 例えば、自宅の空き部屋を宿泊場所として提供する行為は、民家を使っているので「民泊」に相当します。ですが、現在の旅館業法では民泊を明記していません。

 ところが、宿泊料を徴収すると営業行為と見なされ、旅館業法の規制対象になります。現在は、民泊を旅館業法が定める「簡易宿所」に位置付け、営業許可取得の義務化といったルールの整備が進められています。

 法整備が進んでいないシェアリングエコノミーもあります。Uberが提供する自家用車を使ったハイヤーの共有です。この行為は一般に「白タク」と呼ばれ、道路運送法に抵触します。相乗りについても同様な指摘がされています。現行の法規制をクリアできていないため、タクシー業界から反発が強く、Uberは現在、タクシー事業者などと提携してサービスを提供しています。

出典:日経情報ストラテジー 2016年 2月号 p.16
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