自動運転とは、乗り物の操縦を人の手によらず、機械が自律的に行うシステムを指します。オートパイロット(auto pilot)とも呼びます。

 自動運転は一般的に、人間による運転よりも安全で円滑な運転を可能にすると考えられています。そのため、交通事故の削減、交通渋滞の緩和、環境負荷の軽減など、従来の道路交通社会が抱える課題の解決に大きく寄与することが期待できます。加えて、ドライバーの運転負担も大幅に軽減できることから、移動に関わる様々な社会的な課題について新たな解決手段となる可能性があります。

 さらに、自動車産業の国際的な競争力の強化や新たな産業の創出、移動・物流業界の効率化・革新を通じた幅広い産業分野への恩恵も見込めます。

 こうした効果を見据え、先進各国は実用化・普及に向けて研究開発に取り組んでいます。日本では政府が2017年5月に公表した「官民ITS構想・ロードマップ2017」で、社会面と産業面での目標を掲げ、自動運転システムに対して官民が連携して取り組む姿勢を示しています(表1)。

表1●ITS・自動運転により目指す社会・産業の目標
出所:「官民ITS構想・ロードマップ 2017」を基に作成
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国内ではレベル2まで実用化、欧米はレベル3・4も

 自動運転は、搭載される技術に応じてレベル分けされています。定義に関する国際的な標準は、自動車・航空機分野の標準化団体であるSAE(Society of Automotive Engineers) Internationalが定めた「SAE J3016」です(表2)。日本国内でも「SAE J3016」が採用されています。

表2●国際的な標準「J3016」による自動運転レベルの定義
出所:「官民ITS構想・ロードマップ 2017」
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 SAEレベル2までは、あくまでも運転者が対応主体であり、運転をサポートする技術にとどまります。一方、SAEレベル3以上になると、システムが運転を主体的に実施する形になります。国内では現在、SAEレベル2までが市販車に採用され、実用化が進んでいます。SAEレベル3以上については、実用化を目指して国内メーカーや関連機関が研究開発や規定の改正の検討などに取り組んでいる段階です。

 国外では、独アウディ(Audi)が世界初となるSAEレベル3(条件付き運転自動化)に相当する自動運転機能を備えた新型車「A8」を2017年10月に発売しました。また、2018年1月に米ゼネラル・モーターズ(GM)が、2019年にもSAEレベル4となるハンドルがない自動運転車を実用化する方針を発表しました(図1)。

図1●米ゼネラル・モーターズ(GM)が発表したハンドルもペダルもない自動運転車のイメージ
出所:米ゼネラル・モーターズの報道発表資料
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