画面●三菱ふそうトラック・バスが導入した営業支援システム
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写真●三菱ふそうセールスジャパンの近藤和久CS推進部営業支援プロセスマネージャー
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 三菱ふそうトラック・バスは2014年10月から、クラウド型の営業支援システムを順次導入し、営業改革を進めている。営業担当者は米アップルの「iPad」と営業支援システムを使って、営業のPDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルを素早く回す。

 2014年10月から、全国に200近くある営業拠点にサイボウズのアプリ作成プラットフォーム「kintone(キントーン)」を順次展開しており、12月中に導入を終える。2013年春から導入を始めた約1400台のiPadと組み合わせて使うことで、営業担当者が訪問計画を立案したり、商談の進捗状況を管理しやすくしたりする(画面)。

 新システムを使った営業活動の流れはこうだ。まず顧客情報や車両の保有状況、過去の訪問履歴といったデータを基に、「ターゲット」を抽出する。それを週次や日次に落とし込み、訪問計画を立案する。営業担当者が顧客を訪問した後は、商談の内容や進捗をシステムに登録するという流れだ。

 新システムは先月訪問した顧客は灰色、今月訪問する予定の顧客は緑色で表示する。kintoneは約140万台の車両データを管理しており、車検の月といった切り口で該当する車両を抽出する機能も備えている。そうすることで、2人の営業担当者が同じ顧客を訪問するといった状況を無くす。

 同社が扱うトラックの種類は膨大だ。タイヤの数やエンジンの馬力、トランスミッションなどの違いを考えると、バリエーションは約1000通りにも膨らむという。特定の顧客向けにカスタマイズした専用車両もあり、「トラックは注文住宅に近い」と三菱ふそうセールスジャパンの近藤和久CS推進部営業支援プロセスマネージャーは話す(写真)。

 従来は紙やエクセル、ホワイトボードで見込み顧客や商談の進捗を管理しており、各営業拠点でやり方もばらばらだった。商談の進捗や受注状況を本社に毎日報告するための集計ファイルを別途作成する手間もかかっていた。「これまでは各営業担当者の頭や手帳のなかに、お客様の情報やノウハウが詰まっていた。こうした情報を『見える化』したかった」(近藤マネージャー)。

 将来的には蓄積したデータを分析し、トラックの売れ筋をタイムリーにつかみ、在庫管理の精度を高めたい考えだ。トラックは受注生産が基本で、納車までに2~3カ月かかるケースが一般的だ。商談の進捗状況がタイムリーに分かれば、生産体制を機動的に変えられる可能性がある。