健康計測機器メーカーのタニタを率いる42歳の若きリーダー、谷田千里社長。医療費削減への貢献を前面に打ち出し、企業向けビジネスを加速する。カギとなるのは、経営者に対する健康データ活用の訴求だ。外資系IT企業の参入には警戒感を示し、日本主導の基盤づくりを強く主張する。

(聞き手は吉田 琢也=日経コンピュータ 編集長)

前社長からバトンを受けて6年半。足元の経営環境をどうみていますか。

谷田 千里(たにだ せんり)氏
1997年、佐賀大学理工学部卒業。同年にニュートン、98年に船井総合研究所に入社。2001年、タニタ入社。05年、タニタアメリカ取締役。07年、タニタ取締役。08年5月、代表取締役社長に就任。健康寿命延伸に向けた市場創出と産業育成を目的とする、経済産業省の次世代ヘルスケア産業協議会で委員を務める。1972年6月生まれの42歳。(写真:村田 和聡)

 当社が手掛ける“健康づくり”は確実に伸びる市場であり、取り巻く環境は良いと考えています。ただ2008年に私が社長に就いた時は、体脂肪計の特許が切れて競合に追い上げられるなど、良いとは言えない状況でした。以来、自分の役目はとにかく改革を進めることだと自覚して6年半やってきました。その成果が出て、少し盛り返したな、というのが現状認識です。

改革の道筋をつけるのに当たって真っ先に何を考えましたか。

 まず、自社の努力で変えられる部分と、そうでない部分を切り分けることから始めました。例えば人口減少や税制の問題には手が出せないですよね。

 では当社に何ができるのか。それを考え抜いて出した結論が、経営者にとってメリットが理解しやすい「医療費削減」への貢献でした。医療費そのものを減らすだけでなく、国や自治体の財源圧迫を緩和し、結果的に企業が負担する法人税や社員が支払う所得税の増加を抑えることにもつながると。

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