米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2015年6月30日、イベント駆動型のコード実行サービス「AWS Lambda」が、東京リージョンで利用可能になったと発表した(関連記事:イベント駆動コード実行の「AWS Lambda」、東京リージョンで利用可能に)。AWSでモバイル担当バイスプレジデントを務めるマルコ・アルジェンティ氏(写真)は「Lambdaの活用によって、スケーラブルかつ経済性が高いIoT(モノのインターネット)アプリ開発が可能になる」と語る。AWS Lambdaや、2015年4月に開始した機械学習のクラウドサービス「Amazon Machine Learning」の活用事例について、マルコ氏に聞いた。

(聞き手は井原 敏宏=日経コンピュータ


AWSのIoT戦略について、他社との違いを含めて教えてほしい。

写真●米アマゾン ウェブ サービス モバイル担当 バイスプレジデント マルコ・アルジェンティ氏
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 IoTで最も重要となるのは、システムの負荷に応じて柔軟に性能や機能を向上させられるスケーラビリティだ。今後、アプリに接続する機器の数は爆発的に増える。クラウドストレージサービスの「Amazon S3」や拡張が容易なデータベースのクラウドサービスである「Amazon DynamoDB」は、何千万台の機器と同時接続できるほどのスケーラビリティがある。

 ほかにもセンサーなどのストリームデータを一時的に蓄積するクラウドサービス「Amazon Kinesis」を使えば、クラウドストレージやデータベースサービスに直接データを送れる。

 これらのサービスにLambdaを組み合わせることで、高いスケーラビリティや処理能力を実現しながら、経済的にも優れたIoTアプリを構築できる。Lambdaは特定のデータ変更があったときのみ駆動し、駆動時以外は利用料金が発生しないからだ。

Lambdaの具体的な活用例はあるか。

 ある企業では何万台というトラックをLambdaも含めたAWSの各種サービスに接続し、車両管理に活用している。この企業がトラックの管理で重視しているのは、運転手が法で定められた運転時間や運転ルートを守ることだ。

 トラックは各種センサーを搭載しており、運転やルートに関するデータを常にAWS上に構築したシステムへ送っている。運転時間が基準を超えたり、正規の運転ルートを外れたりした場合、それがLambdaを駆動するイベントとなる。Lambdaが駆動することで、トラックの管理者や運転手に自動的に警告を送れる。

 2015年4月に開始した機械学習のクラウドサービス「Amazon Machine Learning(ML)」を組み合わせれば、運転手の過去の運転パターンから、この運転手が定められた運転時間や運転ルートを逸脱する確率を予測できる。

 Amazon MLを使うと、車両の部品が障害を起こしたり故障したりする確率も予測できる。予測に基づいて予備的なメンテナンスや部品交換をすることで、未然に事故を防げる。

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