企業情報システムの機能を利用するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開することで、自社のシステムやサービスの価値を高める経済活動、「APIエコノミー」が盛り上がりを見せている。典型的なのが、FinTechの領域だ。銀行は顧客接点を強化することを目的に、消費者に人気のサービス向けに残高照会や入出金明細といった銀行APIの一部公開に前向きな姿勢を見せている。

 こうした潮流を受け、APIの管理プラットフォームを専業で手掛ける米アピジー(Apigee)の存在感が高まっている。2004年に創業した同社は、2015年4月に米国ナスダックに上場を果たし、500に上る顧客を抱える。2015年10月にはTISと再販契約を締結。同社と組み、三菱東京UFJ銀行が主催するハッカソン向けAPIの開発に協力するなど日本市場での取り組みを本格化させている。同社で金融サービスコンサルタントを務めるパディー・ラマナサン氏は、「APIはビジネス資産」と言い切る。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ


写真●米アピジー 金融サービスコンサルタントのパディー・ラマナサン氏
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APIを重視する姿勢が広がり始めています。

 あらゆる企業にとってAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)は、デジタル事業を推し進めるための基礎的な技術です。よりアジャイルに、よりオープンにデジタルビジネスを進めるためには、APIの利活用が欠かせません。

 インターネットの黎明期は、Webサイトやサービスのオンライン化が主流でした。そこでは、いかに自社サイトやサービスに顧客を呼び込むかだけを考えたわけです。

 ところが今のデジタル化された時代には、それだけでは不十分。自分たちのサービスを基に、外部プレイヤーが新サービスを開発したり、あるいは既存の外部サービスに組み込んでもらったりすることが重要です。重要なのは、既存顧客あるいは潜在顧客の満足度を高めることに尽きる。その結果として、自分たちのサイトやサービスの価値が高まるわけです。

 APIを単なる技術仕様として扱うのではなく、マーケティング、さらにはエコシステムの構築にいかに役立てるか、という観点が必要になってきます。

 一方で、システム開発を加速させる存在であることも確かです。APIは、外部に提供するものだけを指すわけではありません。社内の開発者向けに提供するAPIも存在します。

 いずれも欠かせないピース。私はそう考えています。APIは企業のビジネス資産である、と言っても差し支えないでしょう。

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