インドのIT大手、HCLテクノロジーズがIoT(Internet of Things)事業に本腰を入れている。同社が目指すのは、情報収集基盤の構築、データ分析、コンサルティングサービスをエンド・ツー・エンドで提供することだ。IoT事業を率いるスカマラ・バネラジー エグゼクティブ バイス プレジデントは、「データ分析が特に成長分野。“本物の”データサイエンティストを育て、100人以上の規模にしたい」と意気込む。高度なデータ分析を武器に、IoT分野での存在感を高めたい考えだ。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ


写真●HCLテクノロジーズのスカマラ・バネラジー氏
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IoT(Internet of Things)は広範囲にわたります。どの分野に力を入れているのでしょうか。

 多くのテクノロジーがそうであるように、IoTの出発点はコンシューマー市場にあったと私は考えています。スマートフォンやタブレットが人気を博したことで、様々な種類のセンサーが大量生産されるようになった。安価なセンサーが出回るようになり、エンタープライズ市場にも浸透してきたのです。私の見立てでは、あと2~3年で完全に浸透するでしょう。

 IDC Japanの報告によると、日本のIoT市場規模は2019年に16兆4000億円に達すると聞いています。当社は40社を超える日本企業の顧客を抱えており、そのほとんどがIoTとの親和性が高い製造業。日本でのIoT市場の拡大は、当社にとっても大きなチャンスなのです。

 ただし顧客企業は、機器や設備といったアセットに眠るデータをいかに集めるか、さらにいかに価値ある使い方をするかで悩んでいます。当社が注力するのは、こうした領域の支援です。

企業はIoTで悩んでいる

どういった強みを発揮できるのでしょうか。

 当社は伝統的に、エンジニアリングサービスを長く手掛けてきました。世界各国の大手製造業を中心に実績を積み重ねています。いかにデータを収集すれば良いか、といったインフラ領域については既に強固な技術基盤を持っています。

 さらに、アプリケーションやコンサルティングといった分野の経験も豊富です。エンドツーエンドのIoTソリューションを提供できる点が、当社の強みだと自負しています。

 IoTに本格的に取り組めている企業は稀です。大手といえど、部門単位では検討しているものの、会社全体としての方針を固めるのに苦労しています。当社はIoTに取り組むためのロードマップを定義するところから手伝うつもりです。

企業はIoTの活用で悩んでいると。

 多くの企業は、どういったビジネスケースが有効なのかを評価している段階です。

 例えば、当社の顧客に医療機器メーカーがあります。同社が提供する医療機器に関する病院からの問い合わせの97%が、実は機器そのものが故障しているわけではなく、使い方が悪いのが原因だった。IoTの仕組みを構築し、遠隔でのメンテナンスが可能になれば、問い合わせを大量に減らせるかもしれません。

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