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量子暗号は銀の弾丸にあらず(中)

2017/11/29

Doug Drinkwater CSO

 このほか、QKDには次のような用途がある。

  • 英オックスフォード大学、フィンランドNokia、英Bay Photonicsの研究者らは、スマートフォンとPOS決済端末の間で決済情報の暗号化鍵を安全に伝送できるシステムを考案した。伝送へのハッキングの試みも検知できる。

  • スイスでは、2007年以降、国政選挙や地方選挙のオンライン投票の防御に量子暗号が使われている。ジュネーブでは、中央の開票所で票を暗号化してから、光ファイバー専用線を通じて、離れた場所にあるデータ保存施設に結果を伝送する。投票結果は量子暗号で保護され、一連のデータ処理で最も脆弱な部分(開票所から保存施設への伝送)には、妨害は入り得ない。

  • Quintessence Labsという企業が、米航空宇宙局(NASA)向けのプロジェクトで、衛星や宇宙飛行士と地球との間でセキュアな通信を実現することを目指している。

  • QKarDという小型の暗号装置では、スマートグリッドの作業員が公衆ネットワークで制御データを安全に送信できる。

  • 2014年9月にWIREDが掲載した米BattelleのDon Hayford氏の文章によると、当時同社は、ID Quantiqueと協力して、オハイオ州コロンバスにあるBattelle本社とワシントンDCの間の650キロメートルを結ぶリンクの敷設を進めており、それまでの1年間、本社でネットワークを守るためにQKDを使っていた。
翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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