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ソフトウエア開発者に倫理綱領は必要か(上)

2018/04/23

Sharon Florentine CIO

 何よりまず、害を与えないこと――医師たちが倫理行動規範に従うことを示すために古くから宣誓してきた「ヒポクラテスの誓い」は、そのようなメッセージが根底にある。配管工、建設作業員、警察官など、一般の人々に影響する仕事に従事する職業人のほとんどは、何らかの倫理行動規範を遵守しなくてはならない。

 だが、ITは顕著な例外だ。IT界にも、組織や企業が個別に定めた行動規範はある。例えば、米国計算機学会(ACM)と米国電気電子学会(IEEE)は、ソフトウエア工学の倫理と専門職実務に関するACM/IEEE-CS合同タスクフォースで綱領を定めている。しかし、業界全体をカバーする包括的な規範はない。米Boston Globe紙の記事でYonatan Zunger氏が指摘しているように、「コンピューター科学の分野は、他の科学分野と違って、専門職が行う仕事に関して甚大な負の影響に直面したことがない」という理由からかもしれない。

 しかし現在、選挙工作を手助けするソフトウエアの開発で英Cambridge Analyticaが果たした役割が明らかになりつつある。こうした事例を踏まえると、潮目は変わろうとしているのかもしれない。コンピューター科学やソフトウエア開発に絡む倫理的な問題はこれまでにも存在したが、今では、その手の問題が増えているばかりか、その規模と影響も拡大しつつあるように思える。

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