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IBM Research、イノベーションに向けて自らを変革(前)

2019/03/12

George Nott Computerworld Australia

 米IBMの研究開発部門IBM Researchは、産業界の研究機関としては世界最大だ。その歴史は1945年までさかのぼる。Thomas J. Watson Sr氏が、純粋な科学研究を手がける研究所をIBMに設置したのが始まりだ。これまでの発明の成果には、ハードディスクドライブ、ATM、スマートフォン、ポータブルコンピューター、磁気ストライプカード、リレーショナルデータベース、レーザー眼科手術の基盤技術などがある。

Credit: IBM

 IBMの創意工夫は衰える兆しがない。2018年にIBMが米国で取得した特許は、同社にとって新記録となる年間9100件で、26年連続で第1位という偉業を達成した。

 また、研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースNature Indexによると、論文数の企業別ランキングでも、IBMは第2位となっている。

 IBMの特許の約3分の1、そして論文の大半は、IBM Researchに所属する3000人以上の研究者の手によるものだ。研究所は世界6大陸の12カ所にある。

 「特許で四半世紀以上にわたり先頭に立ってきた」とうたう同社だが、その間ずっと同じ戦略だったわけではない。この10年で、IBM Researchの姿勢は変化してきた。これまでより外向きになり、コラボレーションに乗り出し、活動の場に近づくようになった。

 「最初の頃は、研究者は研究者のみの環境に置くのが当然という考えがあった。そこで、当社の研究所は、以前はすべて人里離れた自然公園のような場所にあった。世俗に惑わされずに済む場所だ。だが今は違う」。そう話すのは、1985年にIBM Researchに入り、現在はオーストラリアのメルボルンの研究所でアソシエートディレクターを務めるJuerg von Kaenel氏だ。

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