デジタルツインのテクノロジーは、今や製造業以外にも広がり、IoT、AI、データアナリティクスの世界が融合した存在となっている。これまで以上に複雑な「モノ」からデータを得られるようになる中で、現実のモノをデジタルの世界に再現することは、データサイエンティストをはじめとするITプロフェッショナルにとって、展開の最適化による効率性の実現や、その他のWhat-Ifシナリオの作成に役立つ。

前回から続く)

Credit: Tero Vesalainen

 Microsoftは、デジタルツインの取り組みの一環として、物理的な製品に加えて、プロセスにもツインの概念を取り入れつつあり、プロセスデジタルツインという考え方をホワイトペーパーで打ち出している。

 「プロセスデジタルツインは、新たな水準のデジタルトランスフォーメーションであり、プロダクトデジタルツインの恩恵を工場やサプライチェーン全体に統合する」とMicrosoftは説明している。ホワイトペーパーでは、プロダクトデジタルツインで対応できない高度な製造のシナリオにスポットを当て、それを可能にするプロセスデジタルツインについて取り上げている。

デジタルツインのメリット

 デジタルツインを使うと、物理的なモノに起きていることをリアルタイムで把握でき、保守に伴う負担を劇的に軽減できる。米石油大手Chevronは、油田や精製所にデジタルツインテクノロジーを導入することで、数百万ドル規模のコスト削減を見込んでいる。Siemensは、製造前のモノのモデル化やプロトタイピングにデジタルツインを利用することにより、製品の欠陥を減らし、市場投入までの期間を短縮できるという点を売り文句の1つに挙げている。

 だが、デジタルツインは絶対必要とは限らず、複雑さを無駄に高めかねないという点にGartnerは注意を促す。「対象となるビジネス問題にとって過剰なテクノロジーとなりかねない。また、コスト、セキュリティ、プライバシー、インテグレーションに関する懸念もある」