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金融業界でのブロックチェーン導入は数年先か(前)

2016/12/06

Clint Boulton CIO

 ブロックチェーン技術が金融サービスに革命を起こしつつあるという話題がメディアをにぎわせている。米JPMorgan Chase、英Barclays、豪Commonwealth Bank of Australia、米Wells Fargoなど、金融サービス業界の大手企業が、エクイティスワップや国際取引などのトランザクションにブロックチェーンを使うという話が持ち上がっている。

 こうした報道に接すると、ブロックチェーンは既に主流になったと思うかもしれない。しかし早合点は禁物だ。そう話すのは、スイスUBSの前CIO、Oliver Bussmann氏である。同氏は昨年、UBSでブロックチェーンのプロジェクトを始動させた。だが、ブロックチェーンを利用した実際のソリューションを金融サービス企業が正式に導入するまでには、あと2年かかるかもしれないと同氏は言う。法的規制の存在や標準の欠如といった障壁が立ちはだかるからだ。「実際に導入へと向かうのは間違いないが、極めて規制が厳しい環境の中で登場する。今後数々の検証を経ることになる」

 ブロックチェーンは、インターネットベースのデジタル台帳技術だ。取引の全当事者間でデータのコピーを保持し、暗号化技術を用いてデータ保護と信頼確保を実現する。分散型のアーキテクチャーと暗号化を取り入れていることから、不正行為や改ざんが難しい。そこで、金銭取引を円滑化したり、サプライチェーンを流れる物品の出どころを検証したりといった目的で、その信頼性の高さを活用できるものと目されている。また、真正性を確認できる機能もあることから、日常的な機器が悪質なコードの影響や制御を受ける可能性があるIoT(モノのインターネット)でも、ブロックチェーンは重要な技術となるかもしれない。

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