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ロボットとAIに仕事を奪われる日はまだ遠い(後)

2016/11/24

Sarah K. White CIO

 米MIT Technology Review誌のカンファレンス「EmTech」は、テクノロジーの未来に主眼を置いたイベントだ。そして今現在、テクノロジーの未来といえば、何はさておき人工知能(AI)である。AIの最新ニュースを欠かさずチェックしている人にせよ、アンドロイドが登場するHBOのテレビドラマ「Westworld」を何話か見ただけの人にせよ、自分の仕事がロボットに奪われる日はどれくらい近いのかと気になっているかもしれない。だが、米国時間2016年10月18~20日に開催されたEmTechのプレゼンテーションを見る限り、目を見張る段階までAIが達しているとはいえ、人間がロボットに支配される日の到来はまだ遠いようだ。

前回から続く)

 また、別の問題として、ロボットは一般に、物を正確に持ち上げるのが得意ではないという点がある。双腕ロボット「Baxter」のように、物を持ち上げる役割に主眼を置いて開発されたロボットであってもだ。Baxterは、製造現場で人間の従業員の負担を減らしつつ安全性を高めることや、中小企業でも導入しやすい手ごろな装置を提供することを狙いとして考案されたロボットだ。Baxterを導入すれば、工場で必要だった単純作業の多くを排除できる。人間の従業員は、複雑で高度な作業に専念できるし、より戦略的な業務のための時間も確保できる。Baxterに物体を理解させるためには、プログラムが必要だ。新しい環境に導入するだけでそのまま作業に取りかかってくれるわけではない。

 Tellex氏のプレゼンテーションによると、現在同氏のチームでは、新しい物体を識別して持ち上げるようBaxterに教えるにはどうすればよいか、その方法を探り出すことに一心不乱に取り組んでいる。基本的には、ロボットに学習を教える必要がある。「古い脳」の段階から脱却させ、一連の写真を通じてロボット自身で状況を解釈できるようにする。このプロセスをライトフィールド認知という。ライトフィールド技術を使うことで、いずれBaxterは、初めて見る物に接した時に、一連の画像を通じて、それが何かを理解し、それを持ち上げる方法を導き出せるようになる。逆に言うと、職場でロボットがコーヒーを用意してくれるようになるのは、まだ遠い先の話だ。

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