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IBMが2億ドルを投資するWatson IoT、本部をドイツに置いたワケ(下)

2016/10/28

Thor Olavsrud CIO

 米IBMは、設立から105年の歴史を重ねてきたグローバル企業で、重要な研究所やオフィスを米国外にも設置していたものの、事業部門の本部はずっと米国内にあった。だが、それが変わったのが2015年12月だ。コグニティブコンピューティング技術「Watson」とIoT(モノのインターネット)を連係する事業「Watson IoT」のグローバル本部をドイツのミュンヘンに開設したのである。そして現在、Watson IoTのソリューションやサービスへのニーズが世界中で急増していることを受けて、IBMは同事業への投資を大幅に拡大することを決めた。

前回から続く)

トーマス・ジェファーソン大学病院

 拠点を欧州に置いたとはいえ、Watson IoT部門は、同社の本拠地である米国でも案件を獲得している。その代表例の1つがトーマス・ジェファーソン大学病院だ。フィラデルフィア州にあり、957床の救急処置用ベッドを備えた病院である。IBMは同病院と協力して、Watson IoTを基盤とする認知機能を備えた病室の開設を目指している。病室内のスピーカーがWatson IoTプラットフォームとつながっており、患者が話しかけることによって、照明やブラインドを音声で制御できるというものだ。また、病院の設備について尋ねたり、担当医師に関する背景情報を把握したりすることもできる。

 現代の消費者は、米Appleの「Siri」や米Microsoftの「Cortana」といったサービスを通じて、基本的な音声認識を体験しているが、Watson IoTの認識機能を持つ病室では、あらかじめ決められたコマンドではなく、複雑な文の解析が可能だとGreenstein氏は話す。さらに、簡単な会話もできるという。例えば、患者が温度を尋ね、その回答を聞いてから、「それは暑いね。温度を下げて」といった指示を出すことが可能だと同氏は説明する。

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