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AIが裁判所の判決を79%の精度で予測

2016/10/26

Peter Sayer IDG News Service

 欧州人権裁判所の判例を学習して判決を予測する人工知能(AI)システムを構築したところ、人間の裁判官が下した判決と同じ結果を79%の精度で予測できたとする研究成果が発表された。

European Court of Human Rights via IDG News Service

 この研究は、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、英シェフィールド大学、米ペンシルベニア大学の研究者らが行ったもの。Nikolaos Aletras氏、Dimitrios Tsarapatsanis氏、Daniel Preotiuc-Pietro氏、Vasileios Lampos氏が執筆した論文が、2016年10月24日に「Peer Journal of Computer Science」に掲載された。

 論文には次のように説明がある。「我々は二項分類の処理を構築した。分類器への入力は、判例から抽出したテキスト項目である。目標とする出力は、人権条約の条項への違反があったかどうかという実際の判決である」

 研究チームは、欧州47カ国が批准している欧州人権条約のうち、第3条(拷問の禁止)、第6条(公正な裁判を受ける権利)、第8条(私生活の尊重)の違反が問われた裁判584件で公開された判例文書を、今回のシステムで研究の対象とした。

 欧州人権裁判所の判例文書は決まった構造を持つ。まず、当該の事案が同裁判所に至った経緯の説明がある。次に、事実と状況、関連法、適用される法律的主張が述べられる。続いて、人権条約の条項違反とされているそれぞれの点について、当事者の主張に対する考察や、実体的事項に対する裁判官の評価がある。そして最後に、裁判所が下した裁定(主文)が述べられる。

 研究チームは、こうした構造を持つ判例文書を使い、それぞれの裁判について、経緯、状況、関連法、事実、法律的主張の各項目から抽出した単語群(N-gram)と、トピックリスト(意味論的に関係する単語群のグループ)を作成した。

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