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量子コンピューティングの恐怖におののくサイバーセキュリティ界

2016/09/09

Katherine Noyes IDG News Service

 量子コンピューターの実用化が少しずつ近づく中、専門家たちは、現在のサイバーセキュリティ技術の多くが用をなさなくなる可能性を憂慮している。米国立標準技術研究所(NIST)が2016年5月、この問題について協力を呼びかけたのに続き、カナダGlobal Risk Instituteも現地時間2016年9月5日、この問題への懸念を示す調査レポートを発表した。

Credit: KryptAll

 レポートの筆者は、カナダ・ウォータールー大学の量子コンピューティング研究所の共同創設者で、Global Risk Instituteではサイバーセキュリティの特別アドバイザーを務めるMichele Mosca氏だ。レポートの中で同氏は、現時点で基盤として使われている公開鍵暗号ツールが量子コンピューティング技術によって破られる可能性について、2026年までに破られる確率は7分の1(約14%)、2031年までに破られる確率は50%と説明している。

 「量子攻撃は、現時点ではまだ起きていないものの、今後こうした脅威に対応できるようにするためには、重大な決断を現時点で下す必要がある」と同氏は記している。

 こうした脅威が生じる理由は、量子コンピューターの仕組みが従来のコンピューターとは根本的に異なることにある。従来のコンピューターは、0か1のどちらかを表すビットを使って数値を表現するが、量子コンピューティングは、「量子ビット」と呼ばれるミクロの世界の構成要素を使う。量子ビットは、0と1を同時に表す「重ね合わせ」という状態を取ることができる。この結果、パフォーマンスや処理効率が劇的に高まるが、そこには負の側面もある。

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