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北朝鮮は国外からサイバー攻撃を遂行、HPがレポートを公開

2014/09/04

John E. Dunn Techworld

 驚くことに、北朝鮮は日本国内にも、「朝鮮総連」系の学校の小さなネットワークを持つ。朝鮮総連はこのネットワークを利用し、「武器の不正取引、薬物の不正取引、その他の闇市場の活動」を通じて北朝鮮本国を支援しているとレポートは述べている。

 さらに北朝鮮は、中国など世界各国に存在する企業の小規模ネットワークを形成し、政権にとって頼みの綱となる多額の外貨の獲得に利用している。例えば、好奇心旺盛な西洋の旅行者が、全体主義的な観光の極致を楽しむために落としていく米ドルなどだ。スパイは至る所にいる。

 国に根ざした企業文化がこれといって存在しない北朝鮮にとって、ソフトウエアやテクノロジーは今後もきわめて重要だ。頭脳明晰な子供たちにとっての社会統制や雇用創出にも近いものがある。そうでもなければ、こうした子供たちが何の役にも立たなくなってしまう。

 北朝鮮には、LinuxやMac OS Xを基にした独自のOS「Red Star OS」もある。独自のOSと聞くと、ロシア、イラン、中国などで見られる同様のプロジェクトと似ているように思えるが、こうした国とは違うのは、北朝鮮は実際にRed Star OSを利用していることだ。このOSは、Linuxの平等主義をも体現しており、北朝鮮の国民は誰でもこのOSの利用が認められている。もっとも、OSを動かすためのコンピューターは、ヒトラーのフォルクスワーゲン「ビートル」と同じで、一般市民においそれと手が出るものではない。

 HPのレポートが描き出したのは、経済を発展させるためではなく、現在の不安定な経済に資金をつぎ込んで生き長らえるためだけにインターネットを利用しようと決意した国の姿である。この国は、問題を起こすことで逆に利益を得るという目的のために、サイバー作戦を喜んで利用している。リソースを盗み出すためではなく、破壊と混乱を主な目的として事に及んでいる。自らを要注意の問題に仕立て上げることで、譲歩を引き出そうとしている。

 インフラが欠けている北朝鮮は、国境を越えたリソースに頼らざるを得ない。このことは、他国の政権や政策が変わった場合には大きな影響を受けかねないが、短期的にはきわめて効果的だ。サイバー攻撃の発信源が北朝鮮だと探り当てるのは難しく、標的のリストから推定するのが一般的だ。その標的には常に韓国が含まれる。

 HPのレポートは結論部分で次のように述べている。「北朝鮮のサイバー能力の高さを過大評価すべきではないが、その一方で、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃のように比較的単純で力仕事的な戦術を北朝鮮が利用して、ハイテクの標的国を麻痺させた場合の影響についても、決して過小評価してはならない」

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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