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欧州委、ビッグデータと競争法との関係について語る

2016/01/20

Peter Sayer IDG News Service

 欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)で競争政策を担当するMargrethe Vestager氏は、欧州の競争法の監督機関として、ビッグデータを扱う企業が競争を阻害する事例にECはまだ遭遇していないものの、状況に目を光らせていることを明らかにした。

Credit: European Commission

 Vestager氏は、ミュンヘンで開催されたカンファレンス「DLD 16」で現地時間2016年1月17日に講演した。この中で同氏は、企業がビッグデータを利用することがコスト削減やサービス向上につながるのであれば朗報だとしつつも、次のように述べた。

 「顧客を喜ばせたりコストを削減したりするために必要なデータを、ひと握りの企業だけが支配することになれば、競合他社を市場から追い出す力を手にすることになるかもしれない。そして、競争が減れば、企業としては、引き続きビッグデータを利用して顧客サービスを向上しようというインセンティブが十分でなくなる恐れがある」

 ECが企業の買収計画について審査する時には、企業が支配するデータの量や、同等の情報をほかから入手できるかどうかということも重要な懸念材料となる。

 Vestager氏によると、ECがこうした問題に着目した企業買収の事例は2つある。1つは、2007年に米Googleが米DoubleClickを買収した事例。もう1つは、2014年に米Facebookが米WhatsAppを買収した事例だ。

 だが、Googleの規模や、バナー広告の有効性と到達率に関して同社がDoubleClickから得た見識を踏まえても、「この2つの事例については、個別の状況の中に重大な懸念事項はなかった。なぜなら、買収の後も、他社が利用できる有益なデータの入手元は数多くあると考えられたからだ」と同氏は言う。

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