2017年に急増したボードゲームカフェ。しかし未経験の人にはまだまだ「入りにくい居酒屋」という認識らしい。この記事では、「支払いが難しそう」「メニューがよく分からない」「ボードゲームできないと入れない」という誤解を解消してもらい、年末年始に仲間を誘って「デビュー」を果たすのにお勧めのお店を紹介する。

この一年で「ごく普通の遊び」になってきたアナログゲーム

 ボードゲームやカードゲームといったアナログゲームにとって2017年は、その認知度が大きく向上した1年となった。テレビのバラエティー番組だけでなくニュースの特集で取り上げる機会も増えた。「私、休みの日はボードゲームを楽しんでいます」と番組で芸能人や著名人が発言するだけでなく、ゲームマーケット主宰者でゲームマーケット大賞審査員長を務め、日本ボードゲームを50年以上にわたってけん引してきた草場純氏が朝の報道バラエティー番組のボードゲーム特集で何気に登場してインタビューされていたり(ただし、取材した側は「あの」草場氏と気が付いていなかった疑惑で別な意味でネットが盛り上がっていたり)と、“日本のお茶の間”にアナログゲームはぐいぐいと進出している。

 おかげで、最近になってようやく「ボードゲーム? ああ、うんうん、知ってる知ってる、今度やってみたいねえ」という人が普通になってきた。ボードゲームを扱うショップではカップルや家族連れの姿が当たり前になり、ゲームマーケットの来場者も“ソフト”になってきた感がある。

 と、みんなで楽しむ娯楽となりつつあるアナログゲームだが、依然として、そして、意外なことだが、「遊ぶ場所」で苦労するケースが少なくない。もちろん、気心の知れた家族や親しい仲間なら、自宅に呼んで気軽にワイワイとやればいい。ただ、ボードゲーム、そして、一部のカードゲームも思った以上に場所が必要だったりする。若い世代で平均的な六畳リビングにおけるテーブル(往々にしてそこはワークデスクにもなっていたりするので書類とノートPCが山積みだったりする)では、広げきれない場合も少なくない。そして、「これから親しくなる知り合い」が集まるとしたら、部屋(集まるメンバーに“彼/彼女にしたいあの人”が含まれるなら家全体)を整えなければならない。

 こんな、ボードゲームで遊ぶためにみんなで集まりたいときに利用してみたいのが「ボード/アナログゲームカフェ/バー」だ(以下、一般的な呼び方である「ボードゲームカフェ」と呼ぶ)。2017年はこのボードゲームカフェが「急増!」したことでも、アナログゲームの歴史に残る年になるだろう(ちなみに個人的な2017年アナログゲーム三大ニュースは3位が「ボードゲームカフェ急増」、2位が「ゲームマーケット2日間開催に」、栄えある1位は「新垣結衣さんお仕事でボードゲームカフェに出没」)。

ホードゲームに関する情報を集約しているWebページ「ボドゲーマ」では、ユーザーレビューや製品データベース以外にボードゲームカフェに関するデータも網羅している
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「ボドゲーマ」で掲載しているボードゲームカフェの場所。大都市圏だけでなく地方でも数多くの店がオープンした
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 ボードゲームカフェを利用する場面はそれだけではない。この記事が掲載される12月末から1月にかけては仕事や仲間の飲み会が多い季節の真っただ中だが、1次会が終わって「さあこれからどうしようか」となったとき、大抵の場合は「んじゃカラオケ」みたいな流れになる。しかし、こういうとき、アナログゲーマーとしては「んー、一杯飲みながら卓を囲みたいなあ」と思うことが少なくない、というか、そう思うことがほとんどだ。

 昭和の時代なら「お! 卓を囲みたい?ならば一緒に行くか!」と年長者に誘われてついていくと「ジャラジャラのポンでチーでリーチでロン!」となってしまうことが多かったが、平成の今となっては、「ダイスコロコロの攻撃力5の防御力3でダメージ6で撃沈!」としたい同好の士が増えてきた。

みんなで遊ぶなら利用してみたいボードゲームカフェ

 となると、「2次会はカラオケじゃなくてボードゲームやりたい人!」と呼びかけたいところだが、一般的な居酒屋や飲み屋、レストランでアナログゲームをいきなり広げると店員さんから「ちょっとちょっと」と制止される可能性はまだまだ高い。そういうときも「堂々と(ここ重要)」アナログゲームを広げられるボードゲームカフェは重宝する。

 この1年間で急増しただけあって、ボードゲームカフェを探すのに苦労することはなくなった。これは大都市圏に限らず地方の中堅都市でも同様だ。今や全国にボードゲームカフェができつつある。さらに、既にボードゲームカフェを開いているオーナーに自分たちもやってみたいと聞きに来る人も多く、これからも、その数は増えていく可能性が高い。ただ、急に増えただけに、そのボードゲームカフェがどのような感じなのか、分からないことも多い。というと、多くの人は「ボードゲームカフェはどこでも同じでしょう」というかもしれない。しかし、私が見聞きする限り、ボードゲームカフェの雰囲気は幅広い。レストランやバーの雰囲気の中でボードゲームを楽しめる店もあれば、最小限の設備で価格を抑えたショップのプレイスペースのような雰囲気の店もある。

「ボドゲーマ」では都道府県別にボードゲームカフェのリストを用意している。リストからは「ボードゲームカフェ」「プレイスペース」といった種類と収録ゲーム数、概要が確認できる
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リストからショップをクリックすると、営業時間や席数、提供サービス、ゲーム持ち込み、子連れ対応、禁煙喫煙などの詳細をチェックできる
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 普段ボードゲームに親しんでいない仲間を集めるとき、または、2次会でみんなとボードゲームを楽しみたいとき、できればレストランやバーの雰囲気で料理やお酒も楽しめることができれば、「ボードゲームカフェって最近テレビで見て、行ってみたかったんです」という人でもハードルは低い。

 そこで、年末年始に行ってみたい「レストランやバーの雰囲気で料理やお酒も楽しめるボードゲームカフェ」をまとめてみた。実はそのようなボードゲームカフェをまとめて紹介した記事を2016年4月28日に掲載(「ハマる人急増でカフェ&バーも開店、盛り上がる“完全アナログ”ボードゲーム」)しているが、今回は2017年に登場したボードゲームカフェの中からも取り上げる。

 ボードゲームカフェに行ってみたいけれどまだ行ったことない、という人の多くが「何か特別なルールがあってそれが分からないと入れない」と思い込んでいる。お店にあるアナログゲームを自由に使うには会員とかにならないとだめなのか、料金体系はどうなっているのか、時間単位なのか、メニューに上乗せなのか、お店の雰囲気はどうなのか、その場にいる人と否応なしにゲームをさせられるのか、自分たちだけで楽しんでいても怒られないか、ルールを知っていないと迷惑が掛かる、あるいは追い出されるのか、などなど。

 まず大前提として、ボードゲームカフェは「ごく普通の、どこにでもあるお店」ということを言っておきたい。アナログゲームのルールが分からなくても、それこそ、アナログゲームが初めてでもオーナーは歓迎してくれる。お客さんの希望に合ったアナログゲームをチョイスしてルールのレクチャーもしてくれる。ボードゲームカフェのオーナーはマスターであると同時に「アナログゲームのコンシェルジュ」でもある。信頼してアナログゲームに関する相談をしてもらって構わない。

 とはいえ、多くの人がボードゲームカフェに対して、先に挙げたような疑問を持っているのも事実だ。そこで、今回は、料金体系や特徴、雰囲気、テーブル数と収容人数、料金体系についても紹介する。

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