日本交通はタクシー配車アプリ「全国タクシー」の提携先を全国に広げるだけでなく、提携先を含めた収益アップも図ろうとしている。300万人がダウンロードした「全国タクシー」アプリのシステムは客層や乗車履歴といった大量のデータを保持している。このビッグデータを活用した新サービスの準備を進めているのだ。

 目玉は「AI配車」だ。過去の乗車履歴に加え、現在開催しているイベントの情報や気象情報、鉄道の遅延情報などを組み合わせてAIが分析。乗車需要が多い場所を予想して「乗務員アプリ」に表示する。2014年に続き、2018年にも実証実験を実施す

AI配車の概要
ベテランの「勘」を人工知能(AI)で再現
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 「AI配車で収益が向上するだろう」とJapanTaxiの金高恩CMO(最高マーケティング責任者)は予測する。現在、日本交通のドライバーは1日当たり平均4万~5万円を売り上げる。ただ「いつどこに行けば長距離の客を乗せやすいといったノウハウを持つベテランと、新人の売り上げを比べると2倍くらいの差が出ることもある」(金CMO)。AIが若手の乗客探しを支援できれば、収入が低いというマイナスの印象を変えられる可能性がある。

 タクシー車両の稼働状況を示す指標の1つに「実車率」がある。全走行距離のうち乗客を乗せて走った割合だ。実車率を上げるには乗客が降りた場所からなるべく近い場所で次の客を乗せればよい。金CMOは「実車率はタクシー会社の平均で40%ほど」と明かす。

 バブル時代でも約50%だったといい、実車率を高めるのは簡単ではない。ただ金CMOは「挑戦していく。AI配車でドライバー1人ひとりの売り上げを底上げできれば、実車率も上昇していくはずだ」と意気込む。

 実車率が高まると売り上げが伸びる。半面、客を乗せて走る時間が増えるため、人の命を預かる職場での労務管理がより重要になる。

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