品質の低いまとめ記事を量産する場の1つとなっていたのが、クラウドソーシングサイトだ。まとめ記事を掲載する事業者が低い単価で記事の作成依頼をクラウドソーシングサイトに掲載。書き方の指導や成果物のチェックが不十分なまま、不特定多数の書き手を募った。

 結果として他サイトの記述や写真を無断でコピーしたり内容が不確かだったりする記事を数多く生み出すことになった。その典型例が、かつてディー・エヌ・エー(DeNA)が運営していた医療情報サイト「WELQ」だった。

 クラウドソーシング最大手のクラウドワークスとランサーズはWELQ問題の発覚後、相次いで品質改善策を打ち出した。仕事案件の自由な流通を促して活況を呈してきた事業方針を見直し、事業者自らが案件の内容に責任を持つ体制を模索する。

 両社がクラウドソーシングの品質改善に向けて活用を急ぐ技術の1つが人工知能(AI)だ。クラウドワークスは悪質な仕事案件をAIで自動検知する仕組みを、2017年7月5日に導入した。独自開発した機械学習エンジンを使い、利用規約違反や報酬が極端に低い案件を9割の精度で自動検出。人間の目視も組み合わせて削除する。

クラウドワークスの吉田浩一郎社長
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 「案件の質に当社が介入して、公開前に案件を止める。案件のマッチングを市場の自由に任せていた当社にとって、大きな方針転換だ」(クラウドワークスの吉田浩一郎社長)。5月から試行したところ、悪質案件と判定できた精度は91%。検出した悪質案件の数も人間の10倍以上に達した。

 ランサーズも同様な取り組みを進めている。機械学習やデータマイニングの研究に取り組む京都大学大学院の鹿島久嗣教授らと共同で、不適切な案件を自動的に検知する技術を開発。10月から利用を始めた。

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