(撮影:中村宏)
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 ブリヂストン 執行役員 CDO・デジタルソリューションセンター担当の三枝 幸夫氏は2017年10月13日、東京ビッグサイトで行われている「ITpro EXPO 2017」にて「ブリヂストン、デジタル変革の挑戦~生産革新から新サービス創出まで」と題した基調講演を行った。

 三枝氏は30年以上生産システムやそのオペレーションに関わった経歴があり、近年では「スマート工場」の取り組みにも携わっていた。同社の8割以上の売り上げを占めるタイヤ事業に関しては、ビッグ3と呼ばれるトップ企業が市場で大きくシェアを落とし、しかも「10年前には名前もなかったような企業が出てきた」(三枝氏)。

 そのような状況に対してブリヂストンは、製品性能だけでは差別化できないと2年前から製造販売業からソリューションプロバイダーへと変革を行っているという。

ビッグ3メーカーのシェアは大幅に低下し、「良い製品」だけでは差別化できない
(撮影:林 徹、以下同じ)
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 その代表的なものが、「タイヤを売らずに稼ぐ」というレンタルモデルだ。顧客は空気圧やローテーションの管理を気にする必要はなく、かつタイヤの在庫や冬期のスノータイヤの手配をする必要もない。また、すり減って回収されたタイヤは再生して利用するため環境負荷も軽減される。

 ただ、コスト面で有益であるかどうかが重要になる。そのためにはバリューチェーン全体を通じたデジタルトランスフォーメーションが必要であり、ブリジストンのコアであるケミカル領域を「モノにデジタルを加えて製品を上げる」(三枝氏)という。

デジタルによって得られた知見をエンジニアリングやサプライチェーンにフィードバックすることで価値を継続的に上げる
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 デジタルを活用した事例もいくつか紹介した。鉱山では超大型のダンプカーが数百台稼働しており、タイヤによるダウンタイムがないように管理し生産性を上げることに協力したいと考えたという。そこで、「B-TAG(Bridgestone Intelligent Tag)」のセンサーを埋め込むことで、温度や圧力をリアルタイムにモニターしている。

 複数のデータを分析すると大きなばらつきがあった。その原因を分析したところ、鉱物の種類や鉱山により偏りが生じていることが判明。そこで、山の種類やダンプカーの形状ごとに特徴を抽出して、使われ方に応じたメンテナンスプログラム「TreadStat」を提供することで、タイヤの性能を十分に発揮できるようにし、ダウンタイム削減に貢献したという。

鉱山や鉱物の違いによる故障要因を分析し、課題解決のスピードを向上させる
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