最近、デジタル変革やイノベーションといった言葉を頻繁に耳にする。「破壊的イノベーション」などと呼ばれることもある。そして、イノベーションによる変革を実現しようとする企業において、今後ITが欠かせない手段になる。同時に、それを主導するIT部門にとっては、デジタル時代のビジネスの主役に躍り出るチャンスでもある。

 しかし、今のIT部門の現状は、「バックエンドシステムのメンテナンスで手いっぱい」というケースも少なくない。どうすればこの課題を解決できるのだろうか。

メンテナンスコストを削減してイノベーションに投資する

 私たちは、多くの企業がイノベーションに取り組んでもらいたいと考えている。それを具現化する道筋のひとつとなるのが、メンテナンスコストの削減である。

 現在、ほとんどの企業で、基幹システムをはじめとする既存システムのメンテナンスにかかるコストが、IT予算コスト全体の8割以上を占めている。つまり、デジタル変革に投資できる予算は2割に満たない。これではイノベーションの実現は程遠い。もし、このメンテナンスコストが削減できれば、新しいビジネスプロセスを導入するなど、イノベーションを起こす余力が生まれるはずだ。

業務アプリケーションの保守料を破壊する

 このコスト改革を実現した成功例は少なくない。当社の顧客の多くが、維持管理コストを大幅に削減したうえで、新たな売り上げを創出するイノベーションを成し遂げている。例えば、ビル建設資材を提供する米NCIビルディングシステムズは、コスト削減分のうち5000万円をEC事業に投資した。EC分野での売り上げは、いまや年間100億円にも達するという。

 いずれの企業も、リミニストリートのサービスを活用して、イノベーションの原資を手に入れている。その具体的なサービス内容について説明しよう。

 当社は、独立系ソフトウエアサポートという新たなビジネスを切り開いた。ある意味では、ITサービスにおける破壊者だ。当社のサービスを活用するだけで、企業のITメンテナンスコストは大幅に削減できる。日本の、特に大企業においては、SAPまたはオラクルのERP製品が利用されている。大半の企業はその保守料を高いと感じながらも、「やむを得ない」とあきらめ、ベンダーに保守を依頼しているのが実情だろう。結果として、ベンダーは保守サービス事業の収益性を高いレベルで維持することができている。

 この市場では、かつてERPベンダーがしのぎを削っていたが、大企業向けの分野はほぼ2強に絞られて、現在の保守料の高止まりにつながっている。

 また、以前は定期的なバージョンアップにより、企業も多くのメリットを実感できていた。ところが、最近は汎用的な機能がほぼ充足しており、バージョンアップしても投資に見合う効果を得にくくなっている。

 こうした中で、ERPベンダーに支払う保守料を大きな負担と感じる企業が増えるのは当然だ。保守サービスにおける破壊者が存在しなければ、今後も同じ状態が続いていただろう。リミニストリートの保守サービスは、このような提供者優位の市場に風穴を開けたのだ。

エンジニアの獲得と育成に注力高水準の顧客満足度を維持

 先に触れたNCIはリミニストリートに切り替えることで、保守サービス全体の7割以上のコストを削減した。ERPベンダーに依頼していたときには、年間の保守サポート、アップグレード、カスタマイズ部分のサポート、セルフサポートなどにかかるトータルコストは約2億6000万円だった。現在は年間6400万円に抑えられている。注目すべきは、これが1年限りではないということだ。毎年これだけの差額が発生し、IT投資の余力を生み出している。リミニストリートを利用する他の企業でも、若干の違いはあるものの同様のメリットを享受している。グローバルでは、1300社以上の顧客数があり、うち日本では、100社以上に達している。

 当社のサービスはサブスクリプションモデルとして提供されている。もしお客様からの評価が低ければ、次年度の契約は更新されないだろう。こうした中で、当社には徹底的にお客様の視点にこだわる風土が生まれた。

 満足度を維持・向上させるための最大のポイントは人材だ。特に、日々お客様と向き合う技術者の獲得、育成には最大限の力を注いでいる。お客様にとって、基幹システムの停止はビジネスの停止に直結する。お客様の保守サービスに対するシビアな要求に現場のエンジニアが応え続けられなければ、当社のビジネスの成長はなかっただろう。

 リミニストリートはお客様の縁の下の力持ちでありたいと願っている。お客様が実現するイノベーションは、私たちの喜びでもある。

出典:日経コンピュータ 特別レポート版
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