日本政府はなぜ未来投資戦略に司法のIT化を盛り込んだのか。IT化の遅れが日本の国際的な評価を下げる主な要因となっていると考えられるからだ。

 「日本の状況は世界と比較して、本当に遅れている」。こう語るのは倒産法が専門で2016年4月まで米国で研究していた、日本大学法学部の杉本純子准教授だ。

 米国の倒産手続きはWebサイトからいつでもできる。CM/ECFという電子申し立ての共通システムを1996年から試験導入し、2006年には全米で申し立てを可能にした。「弁護士が申し立てをする場合は必ず電子申立でなければならない」(杉本准教授)。

 弁護士などの専門家がトレーニングを受けると、CM/ECFのサイトにログインするアカウントを作れる。一般消費者の破産手続きであれば、氏名や社会保障番号(SSN)、住所などを入力して、プルダウンメニューで該当項目を選ぶ。すると破産手続きと同時に、裁判所から借金などの支払い義務を免除される免責の金額が自動的に表示される。手続き費用はクレジットカードで支払える。

 訴訟記録もほぼ全てをPACERというサイトからPDFファイルで誰でも閲覧できる。

 米国における裁判所のIT化は破産手続きから始まったという。債権者など当事者となる利害関係者が多く、海外にも及ぶためだ。Webで債権の届け出ができれば大幅な省力化が期待できる。

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